ネットワーク機器やスマートフォンを手掛ける中国メーカーHuawei Technologiesは現在、米国および欧州市場から同社製機器が追放されるかもしれないという問題に直面し、論争を引き起こしている。もしHuaweiが、大きな損失を抱えることになれば、同社のサプライチェーンも痛手を負うことになるだろう。
ネットワーク機器やスマートフォンを手掛ける中国メーカーHuawei Technologiesは現在、米国および欧州市場から同社製機器が追放されるかもしれないという問題に直面し、論争を引き起こしている。もしHuaweiが、大きな損失を抱えることになれば、同社のサプライチェーンも痛手を負うことになるだろう。米国の市場調査会社であるGartnerによれば、Huaweiは、2018年の世界半導体購入額ランキングで第3位に入ったという。同社の売上高1000億米ドルのうち約半分は、外国市場から確保されている。
Huaweiがトップクラスの半導体購入メーカーとなるにつれ、世界のサプライチェーンが難題に直面する可能性が浮き彫りになってきている。米国および欧州政府は、HuaweiがセキュリティやIP(Intellectual Property)に対して脅威をもたらす可能性があるとする発言を強めているが、その一方で、同社の顧客企業としての重要性は高まる一方だ。Gartnerによると、Huaweiの2018年の半導体購入額は、260億米ドルだったという。また、米国の投資銀行であるGoldman Sachsによると、Huaweiとの取引を行っている半導体企業は、AMDやIntel、Microsoft、Qualcommなどをはじめ、70社に上るという。
米国と欧州がHuaweiを市場から追放すれば、部品メーカーは打撃を受けることになるだろう。米国メーカーは、拡大の一途にある大規模な機器メーカーから切り離されることになる。Huaweiのスマートフォンや通信機器を締め出すことになれば、部品需要は著しく減少するだろう。
あるアナリストは、EPSNewsの取材に対し、「Huaweiは現在、アジアや欧州において、大きなシェアを確保している大手スマートフォンメーカーとしての地位を確立しており、その位置付けは変わらないだろう。さまざまな半導体、部品、PCB(プリント配線板)のサプライヤーが、Huaweiのスマートフォン向けに製品を提供しており、こうした状況が変化するとは思えない。しかし、もしこれらの企業に製品を供給している米国サプライヤーに対して逆風が吹いたり、中国が関税による報復措置を取るようなことになれば、サプライヤー各社が痛手を被ることになるだろう」と述べている。
Huaweiは、中国の電子機器メーカーとして、自社製品に対する米国関税への対応を進めているところだ。同社のCFO(最高財務責任者)である孟晩舟(Wanzhou Meng)氏は2018年12月に、イラン向け違法輸出の容疑でカナダで逮捕された。さらに、米司法省は2019年1月に、Huaweiと孟氏を、IP盗用や企業スパイ活動、通信詐欺などの嫌疑で起訴したと発表している。
また、Huaweiは現在、5G(第5世代移動通信)向けの同社製品の安全性に問題があるとする非難の声に対し、反論を続けているところだ。
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