続いて、Smythe氏は機械学習と人工知能におけるArmの取り組みと“貢献”を紹介した。その機械学習と人工知能を構築するシステムの設計は、多様でスケーラブル、そして、電力効率も兼ね備えている必要があるとSmythe氏は主張する。さらに、機械学習の用途によっては必要な処理能力が異なり、キーワード検索やパターン認識では高い処理能力を必要としない一方で、声認識や画像認識では高い処理能力を必要とすると述べた上で、Arm IPではその全てに対して適切なプロセッサを提供できるとSmythe氏は訴求した。「高い処理能力を必要としない機械学習にはCortex-AやCortex-Mを用いるが、高い処理能力を必要とする人工知能の構築にはGPUのMaliや機械学習に特化したプロセッサであるArm NPUを用いる」(Smythe氏)
ここで説明したように機械学習プラットフォームでは、CPUのCortexシリーズ、GPUのMali、そして、NPUといった異なるプロセッサを実装する(さらに第三者がカスタマイズしたプロセッサも存在しうる)ことになるが、その違いを吸収して共通の開発動作環境やAPIを提供するソフトウェアフレームワークとして「Arm NN」もArmはオープンソースとして提供している。Arm NNで用意したAPIを利用することで、ニューラルネットワークフレームワークを介して人工知能アプリケーションの構築が可能になる。Smythe氏は、処理能力において1.3〜4.2倍と向上しただけでなく、既にGoogleやAmazonがArm NNを導入し、Open Hubコミュニティーでも評価されているとアピールした。
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