三菱電機、SiCパワー半導体製品を用途別に提案:TECHNO-FRONTIER 2019
三菱電機は、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」で、パワーエレクトロニクス機器の省エネ化につながる、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体/モジュール製品を一堂に展示した。
三菱電機は、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」(2019年4月17〜19日、千葉・幕張メッセ)で、パワーエレクトロニクス機器の省エネ化につながる、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体/モジュール製品を一堂に展示した。
同社は、産業機器やEV(電気自動車)、鉄道車両、太陽光発電装置など、パワーエレクトロニクス機器と呼ばれる製品の電力消費を低減するため、1990年代初めからSiCベースのパワー半導体/モジュール開発に取り組んできた。
SiCパワー半導体/モジュールは、従来のシリコン半導体に比べて電力損失が極めて小さく、高速スイッチング動作や高温度動作に優れ、高い放熱効果を有するなど、さまざまな特長があるからだ。同社は用途別に適した各種SiCパワーモジュールを開発してきた。
ブースでは、新たに開発した耐圧1200VのSiCパワー半導体「1200V SiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)」を紹介した。太陽光発電装置やEV用充電器などの電源システム向けに開発した製品である。同社製のシリコンダイオードに比べて、電力損失を約21%低減したという。高速のスイッチング動作も可能なことから、リアクトルやヒートシンクなど周辺部品を小型化することが可能になった。
SiCパワー半導体の製品群。左から2番目と右端が1200V SiC-SBDの外観
また、pn接合とショットキー接合を組み合わせたJBS構造を採用した。これにより、高いサージ耐量を実現している。定格電流は10A品と20A品がある。パッケージは一般的な「TO-247」と、絶縁距離を広げた「TO-247-2」を、それぞれ用意した。さらに、定格電流20A品には、車載電子部品の品質規格「AEC-Q101」準拠の製品もある。
鉄道車両や電力用途向けフル/ハイブリッドSiCパワーモジュールも展示した。フルSiCパワーモジュールでは、耐圧3300Vで定格電流750Aを達成している。シリコンベースの同社製HVIGBTモジュールと比べて、電力損失は約75%も低減した。
鉄道車両や電力用途向けフルSiCパワーモジュールの外観
- ローム、モーター評価を簡便に行うツールを提供
ロームは、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」で、産業機器の省電力化や小型化、最適化、高機能化を可能にする電子デバイスやソリューションを提案した。
- STマイクロ、生産設備の予知保全などを可能に
STマイクロエレクトロニクスは、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」で、産業機器のスマート化/IoT(モノのインターネット)化を加速するためのソリューションを提案した。
- 三菱電機、耐圧1200VのSiCパワー半導体を開発
三菱電機は、SiC(炭化ケイ素)を用いた耐圧1200Vのパワー半導体「1200V SiC-SBD」5タイプを開発した。EV用充電器の電源システム用途などに向ける。
- 3G〜5Gまで対応可能に、三菱電機のGaN増幅器
三菱電機は2019年1月10日、5G(第5世代移動通信)を含め複数の周波数帯に1台で対応できる「超広帯域デジタル制御GaN(窒化ガリウム)増幅器」を開発したと発表した。1.4G〜4.8GHzという広帯域に対応していることと、三菱電機のAI(人工知能)技術を用いたデジタル制御で高い効率を実現していることが特長だ。
- センサーへの攻撃を検知するアルゴリズム開発
三菱電機は2019年2月7日、センサーに対する悪意のある攻撃を検知する「センサー攻撃検知アルゴリズム」を開発したと発表した。同社は同アルゴリズムをセンサーフュージョンアルゴリズム内に実装し、「世界で初めて、悪意のある攻撃で発生する計測データの矛盾から攻撃を検知するセンサーセキュリティ技術を開発した」(三菱電機)としている。
- 運転者が気づいていない危険だけ通知、画像分析を駆使
三菱電機は2019年1月22日、同社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を活用した「気が利く自然なHMI(Human Machine Interface)技術(以下、HMI技術)」を開発したと発表した。運転者が気づいていない危険だけ、通知するシステムを実現できる。
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