2019年度通期業績予想は、売上高1兆5800億円(2018年度比0.3%増)、営業利益2200億円(同17.5%減)、最終利益1700億円(同17.8%減)の増収減益を予想した。同社企画管理本部経理・財務・企画グループ経理部部長の澤田昌宏氏は、「市場での電子機器の生産調整や流通在庫の調整もあり、年度前半は勢いに欠けるだろう。ただ、第2四半期以降は、スマートフォンの新モデルの準備、自動車の電子化進展により、回復する」との見通しを示した。ただ、工場稼働率が低下することや減価償却費の増加により、営業利益は2018年度を大きく下回る見込みだ。
足元の受注状況について、企画管理本部長の竹村善人氏は「4月の受注は、3月に比べてフラットか、場合によれば、上昇する見込み。今後、(受注額は)上がってくると思う」とし、既に需要は回復傾向にあることを示唆した。
同社では、2019年度の主要用途製品の出荷台数しとして、携帯電話機、自動車は2018年度比ほぼ横ばい、PCは同微減と予想する。「携帯電話機は横ばいだが、スマートフォンに限ると、2018年度比2%減の13.4億円になるだろう」(澤田氏)
こうした主要用途製品の需要見込みを背景にした、製品別売上高予想は、コンデンサーが2018年度比8%増、圧電製品が同10%減、その他コンポーネントが同6%増、通信モジュールが同11%減とした。コンデンサーの出荷数量増による増収効果を同5%増分とみており、2018年度に実施したコンデンサー製品の値上げ効果は同3%増分にとどまるとの見通しを示す。竹村氏は「当初は、緩やかな価格下落を見込んでいたが、需給が緩んだことにより、競合の値下げなどが生じ対応していく必要がある」とし、コンポーネント事業本部長井上亨氏は「7月以降は、値下げ幅をアグレッシブにみている」と述べた。
2019年度の設備投資については、2018年度とほぼ同水準の3000億円を計画。うち1000億円を各製品の増産投資に充てるとしている。
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