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日本向け、LoRaとBLEの2アンテナ搭載超小型モジュール9.8×17.2×1.7mmを実現

 無線通信モジュールやSiP(System in Package)の開発を手掛けるInsight SiPは、LoRaWANとBluetooth Low Energy(BLE)の両方に対応した超小型モジュール「ISP4520」を日本市場に投入する。日本で使われるLoRaWANの周波数帯(923MHz帯)に対応しており、同社は、スマートシティーやスマートグリッド、産業用インターネットなど、幅広い分野での活用を見込んでいる。また、欧州、米国向けのモデルも用意している。

» 2019年06月18日 13時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

LoRaWANの日本向け周波数帯に対応

 無線通信モジュールやSiP(System in Package)の開発を手掛けるInsight SiPは、LoRaWANとBluetooth Low Energy(BLE)の両方に対応した超小型モジュール「ISP4520」を日本市場に投入する。日本で使われるLoRaWANの周波数帯(923MHz帯)に対応しており、同社は、スマートシティーやスマートグリッド、産業用インターネットなど、幅広い分野での活用を見込んでいる。また、欧州、米国向けのモデルも用意している。

 ISP4520の最大の特長は、LoRaWANとBLE用の2つのアンテナを9.8×17.2×1.7mmという超小型パッケージに搭載したという点だ。これは、同社が開発した独自の実装技術によって実現したもので、アンテナ2つがコンパクトに集積されることで、ユーザーは設計が容易になると同時に、コストを抑えることもできる。

超小型モジュール「ISP4520」(右)。このパッケージの中に、LoRaWANとBLEの2つのアンテナが搭載されている。左は同社のBLEモジュール(クリックで拡大)

 LoRaWANについては、Semtechの「SX1261」シングルチップLoRaトランシーバー、BLEについては、Nordic Semiconductorの2.4GHz帯向け無線SoC(System on Chip)「nRF52832」をベースとしている。SPI接続によって、BLE側(nRF52832)に搭載しているArm「Cortex-M4」コアベースのマイコンを、LoRaトランシーバーの制御にも兼用しているという。

ISP4520のブロック図(クリックで拡大)出典:Insight SiP

 また、高度な消費電力管理設計によって、コインセルバッテリーの寿命を数年にまで伸ばしている。動作電圧範囲は1.8〜3.6V、使用動作温度は−30〜+85℃。512kバイトフラッシュメモリ、64kバイトSRAMを内蔵している。

「日本はキーマーケット」

 ISP4520は、既に発売中で、開発キットの提供も行っている。同社社長のNick Wood氏は、「IoTの分野で、日本市場は多様かつ非常にユニークな製品を持つ企業が多く、他の市場より興味深い。キーマーケットだと考えている」と話している。

 同社は、高精度測距、測位システム向けパルスタイムオブフライト(ToF)式UWBとBLEのコンボモジュール「ISP3010」も提供している。さらに、ZigBeeやBluetooth mesh、NB(Narrow Band)-IoTといった各種規格のコンボモジュールについても、今後提供を予定しているという。

左=ISP4520を使ったデモ。気圧センサー、光センサー、温度センサーなどと組み合わせ、それらのセンサーで取得した情報を、PCに接続した受信用モジュールにLoRaWANで送信し、ディスプレイ上に表示した。データの更新間隔は10秒/右=Insight SiPの社長を務めるNick Wood氏(クリックで拡大)

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