SamsungのGALAXY用APおよびDRAMの製造が滞ったときの被害は既に論じたが、NANDフラッシュにはどのような影響があるだろうか?
図2に、NANDフラッシュの企業別四半期毎の売上高シェアを示す。2019年第1四半期のNAND売上高シェアは、1位のSamsungが39.4%、5位のSK hynixが9.5%であり、2社合計で39.4%になる。DRAMの世界シェア72.6%に比べると、世界全体へのインパクトは、まだ“まし”かもしれない。
しかし、NANDを内蔵したSSDの企業別四半期毎の出荷台数を見てみると、Samsungが33.4%と突出して高いシェアを占めていることが分かる(図3)。3位のSK hynixのシェア9.9%との合計で43.3%になる。
恐らく、出荷台数シェアで圧倒的1位のSamsungは、PC用だけでなく、Amazon、Microsoft、Googleなど、クラウドメーカーのデータセンターに使われるサーバ用に大量のSSDを供給していると考えられる。
従って、SamsungのNAND工場でフッ酸の在庫が無くなったら、SSDの供給が停止することになる。ここ最近、クラウドメーカーが、データセンターの設備投資を再開する動きがある。もし、SamsungからのSSDの供給が止まったら、クラウドメーカーたちは、その元凶となった日本政府を激しく非難するだろう。
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