前回に続き、第2章のテーマ「情報通信」の後半部分を紹介する。今回のキーワードは、LPWA(Low Power Wide Area)無線ネットワークと、現実空間と仮想空間を融合させるクロスリアリティーだ。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第5回である。前回はロードマップ第2章の「注目される市場と電子機器群」から、最初の大テーマである「情報通信」の前半部分をご紹介した。今回は同じく「情報通信」より、後半部分の概要をご報告する。
前回の後半で報告したように、小型のセンサー端末と無線通信機能を一体化した「IoTセンサ無線モジュール」は、無線通信機能に独自の性能を要求する。まず、無線でやりとりするデータ量があまり多くないので、通信速度は低速で構わない。そして小型の電池によって数年間は動作を維持できるだけの、非常に低い消費電力を求める。また数多くのモジュールを配置することから、できるだけコストは低いことが望ましい。さらに、単位面積当たりあるいは単位空間当たりのモジュール配置数を少なくするため、通信距離はなるべく長くしたい。
このような要求を満たす無線通信技術として、「LPWA(Low Power Wide Area)」通信に期待がかかっている。LPWAには数多くの規格が存在する。代表的な通信規格には、「Sigfox」「LoRa(Long Range)」「Ingenu」「NB-IoT(Narrow Band-Internet of Things)」「LTE-M(LTE Cat. M1)」などがある。既に国内外で、導入が始まっている。
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