「ハイパースケーラー」とも呼ばれる、ハイパースケールデータセンターを運営するクラウド企業は、巨大なチップ市場を創出し、性能とコストの面で半導体業界を新たな高みへと駆り立てている。一方この現象によって、チップベンダーが、より小規模で多様なユーザーのニーズに応える余裕がなくなるのではないかと懸念する声もある。
この記事は、2019年8月15日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版8月号」に掲載している記事を転載したものです。
※記事を最後まで読むには、EE Times Japan読者登録(無料)が必要です。
「ハイパースケーラー」とも呼ばれる、ハイパースケールデータセンターを運営するクラウド企業は、巨大なチップ市場を創出し、性能とコストの面で半導体業界を新たな高みへと駆り立てている。一方この現象によって、チップベンダーが、より小規模で多様なユーザーのニーズに応える余裕がなくなるのではないかと懸念する声もある。
さらに懸念されることとして、ハイパースケーラーの大半が世界規模の設計チームを独自に構築し始めていて、競合先となる恐れがあることだ。ハイパースケーラーは既に最先端のAI(人工知能)アクセラレーターやスマートネットワークコントローラーを設計している他、オープンソースのRTLをリリースし始めた。
ハイパースケーラーとの競争は厳しいが、ビジネスを完全に失うという、一層恐ろしい事態が起こる可能性もある。欧米の規制当局が少数のトップハイパースケーラーに狙いを定めており、それらを崩壊させる恐れがあるのだ。
最も起こり得るのは、Amazon、Google、Microsoft、Facebook、Alibaba、Tencent、Baiduが、チップの顧客企業としても設計企業としても引き続き成長していくというシナリオだ。半導体業界は、これら7つのハイパースケーラーとともに、半導体業界という海を泳ぐ方法を徐々に学びつつある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.