ロボット開発を手掛ける京都のスタートアップ企業Keigan(ケイガン)は、ラズパイとカメラを搭載したテレプレゼンスロボット開発キットを紹介した。同キットは2020年春の発売を予定している。同社は、KeiganMotorの開発環境をラズパイにインストールした「KeiganPi」も提供している。
テレプレゼンスロボットは、スマートフォンやタブレットを使い、インターネットを介して遠隔操作できる“分身ロボット”。車輪とカメラの回転に、同社が開発した「モーターモジュール」である「KeiganMotor KM-1U」を用いている。モーターモジュールとは、モーターとドライバーの他、マイコンや無線機能、センサー類を1つの筐体に収めたもの。アウターローター型ブラシレスモーターで、最大トルクは3kgf/cm(0.3N/m)で、回転数は0.0001〜260rpm。
イベントではその他、オムロンはラズパイに対応したセンサーを、電気通信大学認定ベンチャーであるMTMシステムズはラズパイで植物工場を制御するという実証実験を紹介した。この植物工場は、伊豆大島の旧北の山小学校(現在は廃校)の理科室を使い、アシタバを栽培するというもので、理科室の環境を計測する子機として「Arduino」も用いている。MTMシステムズの代表取締役を務める城野遼太氏は、「課題も多く見つかったものの、ラズパイを長期運用する方法は確立できた。近日発売予定のRaspberry Pi 4は、メモリが4Gバイトになる(1Gバイト、2Gバイト版もある)し、シリアル通信の帯域幅も大きくなるので、中小規模の植物工場であれば完全に自立化し得る性能を持っているのではないか。植物工場を制御する端末としてのラズパイは、非常に優秀だといえる」と語った。
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