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「半導体が産業の主役に」SEMICON Japan 2019の狙いSEMICON Japan主催者に聞く(1/2 ページ)

2019年12月11〜13日、マイクロエレクトロニクス国際展示会「SEMICON Japan 2019」が、東京ビッグサイトで開催される。今回のキーメッセージは、「次代のコアになる。」だ。主催者であるSEMIジャパンで代表を務める浜島雅彦氏に、SEMICON Japan 2019の狙いや見どころなどを聞いた。

» 2019年11月15日 11時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 「集積回路が誕生して60年。部品の1つという認識から『あらゆる産業の主役』になってきた」――。2019年12月11〜13日、マイクロエレクトロニクス国際展示会「SEMICON Japan 2019」が、東京ビッグサイトで開催される。今回のキーメッセージは、「次代のコアになる。」で、IoTやAI、5G(第5世代移動通信)など次世代による産業の変革を半導体が支えるという視点から、自動運転やスマート工場などのアプリケーション側の企画展示を行うなど、製造装置、材料メーカーの展示にとどまらないイベントとなる。主催者であるSEMIジャパンで代表を務める浜島雅彦氏を取材し、SEMICON Japan 2019の狙いや見どころなどを聞いた。

2020年からはプラス成長「明るい兆しの声」

SEMIジャパンで代表を務める浜島雅彦氏

 2019年初頭からの半導体不況は、市場関係者の想定以上に長期化している。SEMIによると、市場調査を行う6組織(Gartner、VLSI Research、IC Insights、IHS Markit、Cowan LRA、WSTS)は、それぞれ2018年末から2019年初にかけて発表した2019年半導体市場見通しを、数カ月も立たないうちに、大幅に下方修正した。一方で2020年の半導体市場については各社ともにプラス成長を見込んでいる。SEMIによると半導体製造装置についても同様に2019年には減少したものの、2020年にはプラス成長が見込まれるという。

 浜島氏は、「もともとは半導体市場は、2019年夏ごろから在庫が減少し始めるといわれてきていたが、その時期がどんどんと伸びていたのは事実だ。しかし、現在SEMIのメンバーから明るい兆しの声は少しずつ出てきている。2020年の年始以降、然るべきタイミングで盛り上がってくるだろう」と述べる。さらに、「データの爆発的増加は間違いないトレンドであり、特にAIが与えるインパクトは非常に大きくなるだろう。5年後、10年後が楽しみだ」と強調した。

 半導体市場に底打ちの兆しがみえ、成長への期待が高まる中でのSEMICON Japan 2019の開催となるといい、浜島氏は、「ベストのタイミングでの開催になった。大きな流れは右肩上がりであり、市場の本格化に備えて準備するという意味でも、この場を活用してほしい」としている。

役割を広げるSEMICON Japan

 今回、メイン展示ゾーンでは、半導体製造装置、材料メーカーら約750社が出展し、「前工程ゾーン」「後工程・総合ゾーン」「部品・材料ゾーン」の3つのゾーニングで半導体製造の全工程をカバー。延べ5万5000人の来場を見込んでいる。

 43回目となる今回のキーメッセージは、「次代のコアになる。(英文表記はEnabling a Smarter World」だ。このメッセージは、「半導体が産業のキーデバイスとなる時代に突入した。半導体がこれからのデジタル化時代の中心となるという決意を込めたもの」だという。IoTやAI、5G(第5世代移動通信)など次世代技術による産業の変革が期待される中で半導体がそのけん引役となるという視点から、従来の製造装置、材料メーカーの展示のほか、自動運転やスマート工場などのアプリケーション側の企画展示や、通信事業者など各業界のエグゼクティブの講演など、半導体業界が関わるさまざまな分野についての情報が得られる場になっている。

 まず、「SMART Applicationゾーン」では、自動運転技術をはじめとするクルマや関連サービス、技術を、展示と講演の両面から紹介する「SMART Transportaion」や、工場のスマート化の次のステージに向けた最新動向を導入事例を交えて紹介する「SMART Manufacturing」の2つを設置している。このほか、「半導体製造において、地震などの災害対策は重要だ。日本企業はかなりのノウハウを持っており、世界の企業にシェアすることは価値が高い」(浜島氏)とし、地震や台風などから事業を守る事業継続計画(BCP)のエレクトロニクス業界への適用事例などを紹介するエリアも用意している。

 また、浜島氏は、「SEMIはこの業界で最大の課題は『人材不足や人材育成』と考えている」とも説明。若手社員チームによるハッカソンの成果発表のほか、学生向けの業界ガイダンス、ブースツアー、大学、高専生による研究展示の発表の場などを設けた「SMART WORKFORCE」を設置し、各企業の社員同士、立場の垣根を超えたつながりの構築や、人材開拓などにつなげているという。

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