半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:22社)の2020年3月期上期業績は、長引く米中貿易摩擦や中国経済の減速などの影響で、14社が前年同期の売上高を下回る減収になった。【訂正あり】
半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:22社)の2020年3月期上期業績は、長引く米中貿易摩擦や中国経済の減速などの影響で、14社が前年同期比減収になった。
中国を中心としたスマートフォン需要の低迷や長引く米中貿易摩擦などの影響によって、2020年3月期上期は、半導体/エレクトロニクス市場全体が厳しい状況にあった。このため、国内半導体/エレクトロニクス商社の業績は、減収、減益に転じた商社が多数を占めた。集計した22社のうち、売上高、営業利益ともに前年を上回った“増収増益”を達成したのは、4社のみという結果となった。
会社名 | 売上高 (億円) |
売上高 前年比(%) |
営業損益 (億円) |
営業損益 前年比(%) |
---|---|---|---|---|
マクニカ・富士エレ ホールディングス | 2544.2 | ▼2.8 | 67.23 | ▼21.4 |
加賀電子 | 2306.3 | 99.9 | 52.39 | 38.9 |
レスター ホールディングス | 2029.8 | 94.7 | 34.84 | 45.2 |
丸文 | 1387 | ▼16.7 | ▼0.71 | ― |
トーメンデバイス | 1257.8 | 26.4 | 18.78 | ▼14.1 |
リョーサン | 1164.5 | ▼9.7 | 18.88 | ▼34.8 |
菱電商事 | 1152.3 | ▼2.3 | 27.83 | 17.7 |
エレマテック | 880.57 | ▼1.7 | 23.26 | ▼23.7 |
立花エレテック | 838.33 | ▼7.1 | 30.21 | ▼6.4 |
伯東 | 722.69 | 5.1 | 17.08 | ▼12.7 |
サンワテクノス | 676.08 | ▼6.3 | 9.09 | ▼57.3 |
三信電気 | 664.13 | ▼8.3 | 11.91 | 68.9 |
東京エレクトロン デバイス | 652.13 | ▼5.2 | 13.67 | ▼19.6 |
萩原電気 ホールディングス | 623.36 | 9.2 | 20.43 | 3.5 |
カナデン | 567.81 | 4.4 | 11.99 | ▼32.0 |
新光商事 | 510.6 | ▼13.6 | 7.21 | ▼39.2 |
たけびし | 385.07 | ▼11.3 | 13.79 | ▼27.0 |
グローセル | 355.41 | ▼12.2 | ▼0.39 | ― |
協栄産業 | 288.26 | ▼0.1 | 2.62 | 96.8 |
エクセル | 258.05 | ▼10.2 | ▼4.74 | ▼1018.9 |
イノテック | 141.86 | 4.3 | 6.19 | ▼11.0 |
高千穂交易 | 101.73 | 11.6 | 3.81 | 32.6 |
EE Times Japan編集部調べ/2019年11月14日時点 【お詫びと訂正】初出時、表中、丸文の営業損益の記載に誤りがありました。お詫びして、訂正致します。(編集部:2019年11月21日午前11時46分) |
集計対象22社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカ・富士エレホールディングスも減収、減益となった。同社の集積回路および、電子デバイス関連事業は、車載向けの一部や、通信インフラ向けのメモリが好調だったものの、産業機器市場で中国向けFAやメモリテスターなどの受注が減少、同市場向けに半導体全般が低調となったことなどから、結果として、同事業の売上高は前年同期比5.5%減、営業利益は同45.5%減と減らしている。
丸文は、スマートフォンや産業機器向けの分野が低調に推移し、DRAMやNAND型フラッシュメモリの価格が下落したほか、2018年10月にサムスン電子製品の販売事業を譲渡した影響も大きく、売上高は前年同期比19.5%減、さらに、「期中の円高進行による円ベース売上総利益が減少した」ことから、営業損益7100万円の損失となった。
一方、加賀電子は、主力のEMS(電子機器受託製造サービス)事業が堅調だったことに加え、2019年1月にグループ化した富士通エレクトロニクスの収益が期初から寄与したことで、売上高は前年同期比99.9%増の大幅増収、営業利益も同38.9%増で、過去最高益を更新した。
レスターホールディングスは、2019年4月にUKCホールディングス(以下、UKC)とバイテックホールディングス(以下、バイテック)が経営統合して発足した。2019年3月期上期のUKCとバイテックの業績単純合算値は売上高1978億400万円、営業利益460億300万円であり、これと比較した2020年3月期上期の前年比増減率は売上高が2.6%増、営業利益が24.3%減となる。
各社の2020年3月期業績予想については、増収予想が22社中ちょうど半数の11社、営業利益ベースでの増益予想は6社にとどまった。
国内半導体商社2020年3月期上期業績/2020年3月期通期業績予想の集計結果(詳細版)は、TechFactory ホワイトペーパー ダウンロードセンターで無料ダウンロードできます。(ダウンロードには、読者登録が必要です)
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