エレクトロニクス業界の回復を担う技術、今後の開発動向や成長が注目される技術を、10個取り上げる。
この記事は、2020年1月20日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版1月号」に掲載している記事を転載したものです。
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半導体市場全般が低迷した2019年。一方で、2020年は、米中および日韓の貿易摩擦による先行き不透明感は残りつつ、エレクトロニクス業界の各分野が軒並み回復基調になると予測されている。大きなけん引役の一つは、2019年に商用化が始まった5G(第5世代移動通信)だろう。
本稿では5Gを含め、エレクトロニクス業界の回復を担う技術、今後の開発動向や成長が注目される技術を、10個取り上げる。
2020年の注目技術の筆頭は、やはり5Gである。米国と韓国は既に2019年4月に、中国は同年11月に商用サービスを開始し、ユーザー数を着実に増やしている。日本ではNTTドコモが、ラグビーワールドカップ2019に合わせて「5Gプレサービス」を実施。2020年春には、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIが5Gの商用サービスを開始する予定となっている。
JEITAが2019年12月に発表した予測によれば、5Gの世界需要額は2030年に168.3兆円に達する見込みだ。
ただ、現在の日本では、セルラーを使用する一般ユーザーよりも、自動車や医療、工場といった専門業界からの視線の方が熱いようだ。とりわけローカル5Gへの注目度が高まっている。
日本では、2019年12月に総務省がローカル5Gのガイドラインを発表。まずは28.2G〜28.3GHz帯をローカル5G向けに割り当てることが決まった。ローカル5G関連については、NTTコミュニケーションズが実証実験の環境を構築し2020年2月から検証を開始、日立国際電気とノキアソリューションズ&ネットワークスが協業を発表、NECが本格参入を発表、住友商事とIIJ(インターネットイニシアティブ)がケーブルTV各社と新会社「グレープ・ワン」を設立するなどの発表が相次いだ。2020年には、より具体的なユースケースでの実証実験が増えるとみられる。
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