主要電子機器メーカーにおける世界の半導体消費額で、2019年はAppleが首位となった――。Gartner(ガートナー)が調査し、その結果を発表した。
米調査会社のGartner(ガートナー)は2020年2月、2019年の主要電子機器メーカーにおける半導体消費額を調査し、その結果を発表した。これによると、2018年に首位だったSamsung Electronicsに代わり、2位だったAppleがトップになった。
主要電子機器メーカーにおける2019年の半導体消費額は、景気の後退やメモリ価格の下落といった影響を受けて減少した。ガートナーによれば、世界の電子機器メーカーの半導体消費額は、2018年の4746億3100万米ドルに対し、2019年は4183億200万米ドルで、11.9%減だった。メモリ価格が大幅に下落したことで、半導体消費全体に占めるメモリの割合は、2018年の45%から2019年は36%へと、9ポイントも下がったという。
電子機器メーカーにおける半導体消費上位10社の合計金額は、消費額全体に対して2019年は39.5%を占めた。これは2018年実績に比べて0.4ポイントの減少になる。
2019年の半導体消費額を企業別に見ると、「Apple Watch」と「AirPods」の売り上げが好調に推移したAppleが首位になった。新型スマートフォンに3眼カメラを搭載したことも半導体の購入額を下支えした。2019年の消費額は361億3000万米ドルで、前年に比べると12.7%の減少である。半導体消費額全体に占めるAppleの消費額は8.6%になった。
過去3年間にわたり首位の座を維持してきたSamsung Electronicsは、2位に後退した。2019年の半導体消費額は334億500万米ドルで、前年に比べ21.4%の大幅減少になった。半導体消費額全体に占めるSamsung Electronicsの割合は8%である。「メモリ価格の下落に加え、スマートフォンやSSD装置市場での苦戦が影響した」とガートナーは分析している。
3位はHuawei。上位各社が前年実績を大幅に下回る中で、スマートフォンの売り上げが好調なこともあって、Huaweiは前年に比べ1.8%減と小幅にとどまった。一方、前年の10位から2019年は8位までランクを上げたXiaomiは、前年比1.4%増加するなど、上位10社の中で唯一プラス成長だった。
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