Winbond、オクタルNAND型フラッシュを開発:読み出しは最大240Mバイト/秒
Winbond Electronics(ウィンボンド・エレクトロニクス)は、オクタルSPIインタフェースを採用したNAND型フラッシュメモリ「OctalNAND W35N-JW」ファミリーを発表した。メモリ容量は1Gビットと2Gビットの2製品があり、読み出し速度は最大240Mバイト/秒を実現した。
Winbond Electronics(ウィンボンド・エレクトロニクス)は2020年2月、オクタルSPIインタフェースを採用したNAND型フラッシュメモリ「OctalNAND W35N-JW」ファミリーを発表した。メモリ容量は1Gビットと2Gビットの2製品あり、読み出し速度は最大240Mバイト/秒である。
W35N-JWファミリーは、独自の46nmシングルレベルセル(SLC)NANDプロセスを用いて製造することで、10年のデータリテンションと10万回のプログラム/イレース回数を達成した。車載システムや産業機器で要求される耐久性と信頼性を実現している。
W35Nシリーズの外観 出典:ウィンボンド
また、NAND型フラッシュメモリで初めてオクタルSPIインタフェースを採用した。これにより、現行のシリアルNAND型フラッシュメモリ「W25N-JW」ファミリーに比べて3倍の読み出し速度を実現した。デュアル・クワッド・シリアルNAND型フラッシュメモリ「W72N-JW」ファミリーと比較しても1.5倍速いという。これにより、ブート時間の短縮を可能にした。
フラッシュメモリのトレンド 出典:ウィンボンド
フラッシュメモリのスループット比較 (クリックで拡大) 出典:ウィンボンド
高速読み出しを必要とする用途では、オクタルNOR型フラッシュメモリが用いられてきた。しかし、メモリ容量が512Mビットを超えるとダイサイズも大きくなりコスト高になるという。新製品は同等性能のオクタルNOR型フラッシュメモリに比べ、数分の1のコストに抑えることができるという。
しかも、シリアルNOR型フラッシュメモリとはフットプリント互換、XccelaフラッシュメモリとオクタルNOR型フラッシュメモリとは、完全なピン互換性があり、製品の置き換えも容易である。
パッケージは外形寸法が8×6mmの24端子TFBGAで供給する。動作温度範囲は、産業グレード対応品が−40〜85℃、車載グレード2対応品が−40〜105℃となっている。
- パナソニック、Winbond子会社に半導体事業を譲渡
パナソニックは2019年11月28日、100%子会社のパナソニック セミコンダクターソリューションズ(京都府長岡京市、以下PSCS)を中心に運営する半導体事業を台湾のWinbond Electronics傘下のNuvoton Technologyに譲渡すること、同社との間で株式資産譲渡契約を締結することを決定した、と発表した。2020年6月1日を効力発生日として、譲渡を実施する予定という。
- ようやく回復期に入った半導体市場 ―― 問われる次への戦略
2019年9月末に発表されたWSTS(世界半導体市場統計)によれば、2019年8月の世界半導体市場規模は前年同期比15.7%減の354億米ドル。このうちメモリ市場規模は同39.6%減の93億米ドルであった。この低迷ぶりは2019年7月の実績とほぼ同レベルで、数字の上ではまだまだ厳しい状況が続いているわけだ。しかし、筆者としては「ようやく回復期に入ったのではないか」と今後の見通しを予想している。必ずしも皆さんに賛同していただけるわけではないと思うので、今回はいくつかの着眼点について整理してみたい。
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米国の市場調査会社IC Insightsは2019年7月31日(現地時間)、2019年のIC製品の世界市場予測を発表した。カテゴリー別の売上高は、DRAMが、IC市場全体の17%を占めてトップを維持するものの、前年比では37.6%減少する見込みだという。また、NAND型フラッシュメモリの売上高は同31.7%減で、IC市場で第3位のカテゴリーになると予測している。
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