米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が、Infineon Technologies(以下、Infineon)によるCypress Semiconductor(以下、Cypress)の買収を、国家安全保障上のリスクが両社の株式の下落を引き起こしたという理由から、阻止することを推奨している可能性があるという。
米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が、Infineon Technologies(以下、Infineon)によるCypress Semiconductor(以下、Cypress)の買収を、国家安全保障上のリスクが両社の株式の下落を引き起こしたという理由から、阻止することを推奨している可能性があるという。これは、単なる業界のうわさなのだろうか。
Infineonが、Cypressを約90億ユーロ(約1兆650億円)で買収すると発表したのは2019年6月のことだ。買収完了予定は、2019年末から2020年初頭の予定だった。
InfineonのCEOを務めるReinhard Ploss氏は、2020年2月に開催されたアナリスト向けのカンファレンスコールで、今回の取引に関する交渉が最終段階にあることを示唆した。
Ploss氏は、Infineonが各国の規制当局による承認取得を進めており、CFIUSと建設的な話し合いを行っていると述べた。同氏は「米国政府の要件についてはよく理解している。その要件に応えるべく、米国政府と協力している」と語っている。
しかし、Bloombergが3月6日に掲載したレポートは、米当局が「買収は国家安全保障上のリスクをもたらす可能性がある」と警告し、Infineonが米政府との合意に達することができなかったと示唆している。米EE Timesは、この件についてInfineonにコメントを求めたが「進行中の買収案件についてはコメントしない」との回答を得た。
また、Cypressの経営陣と話をしたというみずほ証券のアナリストVijay Rakesh氏は、経営陣らが最新のCFIUSの見出しが、Cypressにとっては“寝耳に水”だったようだと語った。Rakesh氏は買収は成立すると考えているが、最悪の場合、完了はかなり遅れる可能性がある。Bloombergによる続報でも同様の内容が指摘されている。加えて、中国、とりわけHuaweiを主要顧客企業に持つ企業の買収や取引について、米国政府/CFIUSがどのように対処するかについての疑問が提起されている。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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