TDKは2020年9月15日、MFおよびHF帯域で高インピーダンスを実現するAEC-Q200準拠の車載向け積層ノイズサプレッションフィルター「MHF1608シリーズ」を発表した。MFおよびHF帯域で「業界最高水準の高インピーダンス特性を実現する」(同社)ノイズ対策部品として、車載の電池管理システム(BMS)用途などをターゲットに展開していく。2020年9月から量産を開始し、当初は月500万個の生産を予定。サンプル価格は1個あたり30円だ。
TDKは2020年9月15日、MFおよびHF帯域で高インピーダンスを実現するAEC-Q200準拠の車載向け積層ノイズサプレッションフィルター「MHF1608シリーズ」を発表した。MFおよびHF帯域で「業界最高水準の高インピーダンス特性を実現する」(同社)ノイズ対策部品として、車載の電池管理システム(BMS)用途などをターゲットに展開していく。2020年9月から量産を開始し、当初は月500万個の生産を予定という。サンプル価格は1個あたり30円だ。
MHF1608シリーズのメインターゲットはHEV/EVなどのBMSで、具体的には電池モニターICと各リチウムイオンバッテリーセルをつなぐラインのノイズ抑制用途に向けている。従来、これらの用途では、一般的に数十メガ〜数ギガヘルツの高い周波数帯域に適応したチップビーズが用いられてきた。しかし、世代の更新および車載ECUの増加などの環境の変化から近年、10MHz近辺の低周波ノイズが増えており、その対策のニーズが高まっているという。同社は、顧客からのこうしたニーズに応える製品として、MHF1608シリーズを開発したという。
MHF1608シリーズでは、今回新たに開発した高損失、高透磁率のフェライト材を用いることによって、MF、HF帯において「業界最高水準」とする高インピーダンス特性を実現。インピーダンスは10M〜30MHzの帯域でピークとなるようになっており、同社の説明担当者は「従来100MHzでのインピーダンス保証が一般的だが、今回の新製品は10MHzでの保証が可能になった」としている。
具体的には、10MHz時に600〜3500Ω(基準値)のインピーダンスを実現する4製品をラインアップ。500K〜100MHzという従来のノイズ対策部品ではカバーできなかった領域に対応する初めての製品となるという。同社説明担当者は、「この特性によって従来チップビーズを複数個使用するなどして対応していた低周波ノイズを、1個で対応することが可能になった」としている。
MHF1608シリーズ4製品の詳細は下記の通りだ。
製品名 | インピーダンス(Ω)@1MHz(基準値) | インピーダンス(Ω)@10MHz(基準値) | インピーダンス(Ω)@100MHz(基準値) | 直流抵抗(Ω)(最大値) | 定格電流(mA)(最大値) |
---|---|---|---|---|---|
MHF1608BAC352ATD25 | 380 | 3500 | 1600 | 1.8 | 170 |
MHF1608BAC252ATD25 | 280 | 2500 | 1800 | 1.6 | 200 |
MHF1608BAC182ATD25 | 220 | 1800 | 1800 | 1.4 | 250 |
MHF1608BAC601ATD25 | 80 | 600 | 1200 | 0.6 | 350 |
いずれもサイズは1.6×0.8×0.8mmで、使用温度範囲は−55〜+125℃となっている。同社は今後さらに高い定格電流の製品などのラインアップを拡充し、電源ラインなどでの用途を拡大していく方針だ。
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