アドバンテストは、「SEMICON Japan 2020 Virtual」(2020年12月11〜18日、オンライン開催)で、同社の最新のシステムやサービスを紹介した。
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「V93000 EXA Scale」は、アドバンテストが2020年9月に発表した、最先端半導体向けのテストプラットフォームだ。1秒間に100京回の計算が可能になる「エクサスケールコンピューティング」を見据え、最先端の半導体ICのテストに求められる要件に応えるべく、開発された。
V93000 EXA Scaleには、新しいデジタルカード「Pin Scale 5000」や新しい電源カード(DPS[Device Power Supply]カード)「DC Scale XPS256」が搭載されている。Pin Scale 5000は、5Gbps(ビット/秒)のスキャンテストを備え、ベクターメモリの容量も増やしてテストプログラムを一括して格納および出力できるようにした。DC Scale XPS256は、ミリアンペアオーダーから1000Aを超える電流容量に対応できる。アドバンテスト SoC Marketing部の高倉徳雄氏は、「特に、測定精度とダイナミック特性に優れている」と説明する。さらに、プローブのピンの保護機能も備えている。
これらV93000 EXA Scaleのカードでは、こうした特性を実現すべく、テストプロセッサの高度な統合化を進めた。テストプロセッサとメモリを2.5次元のパッケージング技術を使って集積。16個の独立したピンを搭載した。前世代品は、同じサイズで8個のピンを搭載していた。
さらに、Pin Scale 5000でスキャンされた大量のデータは、通信ネットワーク「Xtreme Link」によって高速にアップロードされる。Xtreme Linkは、アドバンテストが半導体テストシステム向けに設計したもので、特許も取得している。
V93000 EXA Scaleは、前世代品となる「V93000 Smart Scale」と互換性を維持している。テストヘッド内のカードやテスターOSを含め、互換性があるので、V93000 EXA Scaleへの移行もスムーズに行える他、これまでの資産も活用できる。
高倉氏は「V93000 EXA Scaleでは、主に4つの開発方針を定めた」と述べる。「まずは、大量のテストデータに対する処理能力を備えること。スキャンデータのアップロード時間を短縮させて、歩留まり向上に貢献したいと考えている。さらに、1000Aを超える電流容量を必要とするデバイスに対応できること。十分なパワーと、パワードメイン(デバイスのパッケージ内の電源)の数を確保する必要があった。また、テスト時間を短縮するために、テスターに必要なオーバーヘッドをできるだけ短くすることも念頭に置いた。4つ目として、IEEE規格 1149.1など、新しいテスト規格も積極的に取り入れるようにした」(同氏)
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