Xilinxは2021年4月20日(米国時間)、エッジでのビジョンAI(人工知能)向けにSOM(System On Module)「Kria(クリア) SOM」を発表した。Xilinxの「Zynq UltraScale+ MPSoC」をベースとしたSOMで、同社はこれを「適応型SOM」と呼ぶ。Xilinxにとっては新しいカテゴリーの製品となり、まずはスマートシティーやスマートファクトリーのビジョンAIをターゲットとする「Kria K26 SOM」を市場に投入する。
Xilinxは2021年4月20日(米国時間)、エッジでのビジョンAI(人工知能)向けにSOM(System On Module)*)「Kria(クリア) SOM」を発表した。Xilinxの「Zynq UltraScale+ MPSoC」をベースとしたSOMで、同社はこれを「適応型SOM」と呼ぶ。Xilinxにとっては新しいカテゴリーの製品となり、まずはスマートシティーやスマートファクトリーのビジョンAIをターゲットとする「Kria K26 SOM」を市場に投入する。
*)SOM:プロセッサ/SoC(System on Chip)やメモリ、周辺回路を搭載したクレジットカードサイズの組み込み型ボード
Kria K26 SOMのロジックセル数は25万6000個で、AI処理性能は1.4TOPS。H.264/265のコーデックを内蔵する。インタフェースとしては、245のI/Oや、40Gイーサネット(10G×4)、USBポート4個などを備えている。
商用環境向け(動作温度0〜85℃、2年保証)と産業用向け(動作温度−40〜100℃、3年保証)があり、価格は250米ドル、350米ドル。既に入手可能となっている。
Xilinxの産業、ビジョン、ヘルスケア、科学担当ディレクターを務めるChetan Khona氏は記者説明会で、「ビジョンAIには多数のユースケースがあるため、市場が断片化している。ビジョン市場向けAIの急速な変化に対応するとともに、AIモデルを、規模、消費電力、コストの面でいかに最適化し運用していくかという課題もある」と語る。
「組み込みプロセッサやGPUをベースにしたソリューションは、これらの課題を解決することが難しい。そこで、われわれの出番だと考えている」(同氏)
Kria K26 SOMは、低レイテンシと低消費電力を実現しつつ、高いスループットを達成することが特長だとKhona氏は強調する。「1080p/30fps(フレーム/秒)の映像をデコードし、画像を前処理して対象物を検知(=推論)し、文字認識を行う」という一連の作業におけるベンチマークでは、GPUベースのソリューションに比べて、高いスループットを実現しながらも、ビデオストリーム当たりの消費電力は半分に抑えられた。さらに、ビデオストリーム当たりのコストは、GPUベースに比べて、商用グレードでは45%少なく、産業用グレードでは67%少ない結果となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.