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» 2021年08月18日 11時30分 公開

データ伝送規格の進化を支えるPCIe新たな要件や応用対応する(1/2 ページ)

CIe(Peripheral Component Interconnect Express)バス規格には、たくさんの課題がある。より的確に言えば、PCIeを流れるたくさんのデータに対応する必要がある。

[Gary Hilson,EE Times]

PCIeのメリットとデメリット

 PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)バス規格には、たくさんの課題がある。より的確に言えば、PCIeを流れるたくさんのデータに対応する必要がある。

 比較的成熟したNVMe(Non-Volatile Memory Express)プロトコルと、誕生して間もないながら急速に進化しているCXL(Compute Express Link)は、ともにPCIeの“ユビキタス性”を活用している。PCIeは、2021年末に6.0がリリースされる予定だ。

 Microchip Technologyのデータセンター事業部門でディレクターを務めるMark Orthodoxou氏は、「PCIeの真価はCPU間で相互運用可能なユビキタス性にあり、そのオープン性によって、PCIeを中心としたエコシステムを構築できる」と述べている。同氏は、「PCIeの難点は、時の経過とともに非常に複雑化していることによって生じているが、利用できるライセンス可能なIP(Intellectual Property)が数多くあるため、こうした課題は克服できる」とも述べている。

I/Oの帯域幅は3年ごとに2倍になるとされている 出典:PCI-SIG(クリックで拡大)

 難点の1つは、現在存在する一部の機能や特長が、PCIeの初期には考えられていなかったことである。Orthodoxou氏は、「新たな用途が提案されると、それまで想定されていなかった問題が発生する」と述べている。その一例が、NVMe SSDをホットプラグする形で、サーバからデバイスを取り外す場合だ。同氏は、「PCIeはホットプラグインタフェースとして設計されていなかったため、こうした操作に対応させるための作業が必要だった。PCIeは、さまざまな用途が提案されたことで、時の経過とともにより複雑になった。だが、CXLのようにPCIeを活用する新たな用途が生まれても、イノベーションを本質的に制限するものは何もない。結局のところ、CXLはPCIeの上位プロトコルにすぎない」と述べている。

CXLの接続の概念図 出典:CXL

 Orthodoxou氏は、「CXLが他のデバイスよりも早くPCIe 6.0を活用できる可能性もあるが、CXLコンソーシアムはできる限り多くの時間をかけて、最新かつ最高のPCIeを必要とするユースケースをサポートするためにCXLがどうあるべきかを整理する必要がある。ただし、CXLがより高速に動作する、異なる電気的インタフェースが利用可能な場合はその限りではない」と述べている。

 Microchip Technologyは、産業や自動車、データセンター市場など、さまざまな事業部門向けに、PCIeスイッチやNVMeコントローラーなどのPCIeを活用した数多くの製品を提供している。Orthodoxou氏は、「PCIeは当社に大きな市場機会をもたらした。当社は『CXL Retimer』以外のCXL製品を発表していないが、同コンソーシアム内で精力的に活動している」と述べている。

 NVMeの採用は約10年続いているが、IDCのSSDおよび実現担当リサーチバイスプレジデントを務めるJeff Janukowicz氏は、「2020年は、エンタープライズSSDの半数以上がNVMe×PCIeになるという“変曲点”を迎えた年となった」と述べる。同氏は、NVMe 2.0のリリースにより、PCIeがさらに進化し、HDDでは実現できなかったフォームファクタの革新が可能になるという。

 PCIeは基本的な技術となっているが、CXLのようなプロトコルの登場は、ワークロードの多様化を反映しているとJanukowicz氏は説明する。「さまざまな要件を満たすべく多くの技術開発が行われているが、その中でも特に注目されているのがCXLのようなプロトコルだ」(同氏)。NVMeは、SSDを念頭に置いて開発されたが、CXLはストレージではなくメモリを中心に開発されており、より高い性能と低い複雑性を実現しているとともに、メモリの拡張やアクセラレーターなども考慮されている。

 PCIeと同様に、CXLはオープンスタンダードであり、誰もが参加してワークロードの方向性に対応したソリューションを構築できることが利点だとJanukowicz氏は述べる。「インメモリ型のアプリケーションやインメモリ型のデータベースだけでなく、AI(人工知能)や機械学習などの新しいアプリケーションも含めて、次世代のワークロードをサポートするために、メモリプールを拡張することに多くの関心が寄せられている」(同氏)

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