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村田製作所、RF回路の省電力技術を持つEta Wirelessを買収5G端末の長時間動作に貢献

村田製作所2021年9月3日、RF回路の省電力化技術を有する米国Eta Wirelessを買収した、と発表した。村田製作所は「これまでRF回路向け電子部品で培ってきた設計技術とEta Wirelessが有する『Digital ET』技術とのシナジー効果により、さらに優れたRF製品の提供を目指す」としている。買収額は1.5億米ドル(約165億円)だ。

» 2021年09月03日 16時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 村田製作所2021年9月3日、RF回路の省電力化技術を有する米国Eta Wirelessを買収した、と発表した。村田製作所は「これまでRF回路向け電子部品で培ってきた設計技術とEta Wirelessが有する『Digital ET』技術とのシナジー効果により、さらに優れたRF製品の提供を目指す」としている。買収手続きは9月2日付で完了。買収額は1.5億米ドル(約165億円)だ。

 Eta Wirelessは独自のパワーマネジメントIC(PMIC)とDPD(Digital Pre Distortion)アルゴリズムによってRF回路内の電圧を最適化し、消費電力を削減する「Digital ET」技術を有する。村田製作所によると、この専用設計されたPMICはRF回路に必要となる電圧をデジタル化かつ最適化し、5G(第5世代移動通信)などの広帯域幅信号にも対応したほか、過剰な電力消費の抑制に貢献する。また、DPDアルゴリズムはRF回路内で発生するひずみやノイズを低減する独自のアルゴリズム設計により、さらなる消費電力の削減を実現する、という。

 村田製作所の代表取締役社長、中島規巨氏は、「通信や電子部品の進歩により、世の中のモバイル端末はより高性能で高機能なものとなった。限られたバッテリー容量の中で、各端末の動作時間を延ばすためにはバッテリーの大容量化だけではなく、各電子部品の省エネルギー化の努力が不可欠だ。Eta Wirelessの技術と村田製作所グループが有する技術を組み合わせ、さらに優れた製品を顧客に提供することができ、大変うれしく思う」と語っている。

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