村田製作所、ミライセンスを買収し完全子会社化:次世代型HMI技術の開発を加速
村田製作所は、3D触力覚技術を活用したハプティクスソリューション技術を提供するミライセンスを買収し、完全子会社とする。
村田製作所は2019年12月、ミライセンスを買収し完全子会社にすると発表した。次世代型HMI(Human Machine Interface)技術の開発を加速する。
ミライセンスは、産業技術総合研究所(産総研)技術移転ベンチャーである。産総研が発明した脳科学ベースのハプティクス「錯触力覚」技術を普及させるため、2014年に創業した。錯触力覚をベースに開発した3D触力覚技術を活用し、ハプティクスソリューションを提供している。
3D触力覚技術のイメージ 出典:村田製作所
ミライセンスのハプティクスソリューション技術は、任意の振動波形を用いて脳に錯覚を起こすことで、利用者にさまざまな質感や感触を知覚させる方式。物理工学をベースとした従来方式とは異なるという。
この技術によって、VRゲームなどデジタルコンテンツ上で表現された物体であっても、実物に触れているような柔らかさや手触り感を得ることができる。しかも、独自のプログラム技術や筐体設計技術により、小型で安価なハードウェアを用いて実現できるのが特長の1つでもある。
村田製作所は、自社のデバイス設計技術とミライセンスのハプティクスソリューションを組み合わせることで、ユニークな製品やサービスの提供を目指す。
- 「調整局面は終わりを迎えつつある」村田会長
村田製作所は2019年11月29日、東京都内で事業戦略説明会「Information Meeting 2019」を実施した。同社会長兼社長の村田恒夫氏は、「貿易摩擦の景気減速、それに伴う自動車や電子機器の生産調整、電子部品の在庫調整が下押し要因だが、調整局面は終わりを迎えつつある」と、市場環境を巡る認識を示した。
- MLCC市場「全体的に回復が遅れている」村田製作所
村田製作所は2019年10月31日、東京都内で2020年3月期(2019年度)第2四半期の決算説明会を行った。同社の2019年度第2四半期累計(4月〜9月)売上高は前年同期比3.5%減の7609億円、営業利益は同12.9%減の1214億円、純利益は同16.2%減の907億円となった。中国を中心とした世界景気の減速による自動車やスマートフォンの生産台数減が影響した。同社の専務執行役員コンポーネント事業本部長、井上亨氏は、主力のMLCC(積層セラミックコンデンサー)について、「全体的に市場回復が遅れている。特に車載向けは想定以上に長引いており、回復までもう少し時間がかかる」と話していた。
- 電池事業を本格化する村田製作所、蓄電池工場を公開
村田製作所が、電池事業の展開を本格化させている。ソニーの法人向け電池事業を買収して約2年が経過した2019年8月28日、東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)を報道関係者に公開。技術融合による初製品である「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明した。
- 村田製作所、容量が大きい全固体電池を開発
村田製作所は、電池容量が最大25mAhと業界最高レベルの全固体電池を開発した。ウェアラブル機器やIoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
- 村田製作所、タイ子会社に2つの新生産棟が完成
村田製作所がタイの生産子会社「Murata Electronics(Thailand)」内に建設していた2つの新生産棟が完成した。EMIフィルターとアンテナコイルを増産する。
- 村田製作所、総額47億円超のMLCC増産投資を発表
村田製作所は2019年8月5日、生産子会社であるイワミ村田製作所(島根県大田市)において積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力拡大を目的として増産投資を実施すると発表した。
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