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村田製作所が米RFデバイスメーカーを490億円で買収ビジネスニュース 事業買収

村田製作所は2014年8月23日、スマートフォン向けRF(高周波)スイッチなどを手掛けるPeregrine Semiconductor(以下、Peregrine)を買収すると発表した。買収額は4億7100万米ドル(約490億円)としている。

» 2014年08月25日 11時50分 公開
[EE Times Japan]

 村田製作所は2014年8月23日、子会社のMurata Electronics North America(以下、MEA)が、スマートフォン向けRF(高周波)スイッチなどを手掛けるPeregrine Semiconductor(以下、Peregrine)を買収すると発表した。

 買収額は4億7100万米ドル(約490億円)で、2014年10〜12月中に買収手続きを完了させる。

CMOSベースのRFスイッチ

「UltraCMOS技術」を使ったPeregrine SemiconductorのRFスイッチ製品 出典:Peregrine Semiconductor

 Peregrineは、スマートフォンや携帯電話機など通信機器端末をはじめ、無線通信基地局、衛星通信用途向けにRFスイッチなどRF関連デバイスを手掛ける半導体メーカーで、米国カリフォルニア州に本拠地を置く。「高周波特性の良いRF部品を安価に提供することに資する技術」(村田製作所)というCMOSプロセス技術をベースにした独自プロセス技術「UltraCMOS」をコア技術に持つ。村田製作所は、RFフロントエンドモジュール製品事業における主要調達先の1社としてPeregrineからUltraCMOS技術を使用したRFデバイスを購入してきた経緯がある。

 村田製作所では、「Peregrineの買収によりRF部品用の半導体プロセス開発、半導体設計、回路設計、モジュール設計まで一貫した開発体制が確立される。今後、市場要求をより一層的確、かつ迅速に製品開発に反映させることができ、これまで以上に顧客ニーズに適合した最先端製品を、スピード感をもって提供することができる」とコメントしている。

 MEAは、今後、買収のための子会社を設立し、その子会社とPeregrineを合併させる手法で買収を行う予定だという。約490億円の買収資金については、村田製作所グループの「手元資金から支払うことを予定している」としている。

相次ぐ通信モジュール事業での強化策

 村田製作所はRFフロントエンドモジュールなど通信モジュール事業を主力事業の1つとして継続的に強化している。2012年にはルネサス エレクトロニクスのパワーアンプIC事業(関連記事:村田製作所がルネサスのパワーアンプIC事業を買収、携帯電話機向けフロントエンドモジュールを強化へ)やRF Monolithicsを買収した他、近距離無線関連製品のソフトウェアサポートを狙ってユビキタスと資本・業務提携を結ぶ(関連記事:村田製作所がユビキタスと資本・業務提携、モノのインターネット市場の成長見据え)などしている。

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