エレファンテックは、銅膜厚を12μmとしたフレキシブルプリント配線板(FPC)「P-Flex PI」を開発、受注を始めた。銅膜厚が3μmの従来品に比べて高い電流値に対応でき、電圧降下も抑えられるという。
エレファンテックは2021年9月、銅膜厚を12μmとしたフレキシブルプリント配線板(FPC)「P-Flex PI」を開発、受注を始めた。銅膜厚が3μmの従来品に比べて高い電流値に対応でき、電圧降下も抑えられるという。
P-Flexは、フレキシブル基板上にインクジェット技術を用いて銀を印刷し、無電解銅めっきを行った製品。印刷した銀が無電解銅めっきの触媒として作用するため、銀を印刷した部分だけに銅が成長する仕組みを利用した。この工法では、3つの要素が重要だという。成長した銅の「均一性」、印刷していない部分で銅が成長しない「選択性」および、速やかに成長する「高速性」である。
同社は既に、銅膜厚が3μmと極めて薄いP-Flex PIを量産している。厚膜化についても、これまでに技術的なめどを立てていたが、量産レベルで安定した品質を実現するまでには至らなかったという。
今回、「印刷プロセス」と「めっきプロセス」を同時に最適化した。これにより、めっきの初期反応性が向上し、安定した高速成長を実現することができた。この結果、12μmという銅膜厚においても、量産レベルで3つの重要な要素をクリアすることに成功したため、商品化を決めた。
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