日本メクトロンは、「第6回ウェアラブルEXPO」(2020年2月12〜14日/東京ビッグサイト)で、独自の伸縮FPCを用いた「パッチ式脳波センサー(EEG)」などを展示した。伸縮FPCに関しては、電気刺激で筋肉を運動させるEMS(Electrical Muscle Stimulation)への応用例も公開、特性を生かしたアプリケーション拡大を狙っている。
日本メクトロンは、「第6回ウェアラブルEXPO」(2020年2月12〜14日/東京ビッグサイト)で、独自の伸縮FPCを用いた「パッチ式脳波センサー(EEG)」などを展示した。伸縮FPCに関しては、電気刺激で筋肉を運動させるEMS(Electrical Muscle Stimulation)への応用例も公開、特性を生かしたアプリケーション拡大を狙っている。
日本メクトロンが開発している伸縮FPCは、厚さ約70μmと薄型ながら、最大50%まで伸長させても導線が切断することはない性質を実現。また、「素材は詳しくは明かせない」(同社説明担当者)が柔軟かつ、2500g/m2/24hと高い透湿性も有しており、「人の肌に触れても不快感がなく、一晩貼ったままの状態でも汗で蒸れるようなことはない」という。
パッチ式脳波センサーはこの伸縮FPCを活用した製品で、大阪大学COI拠点発のスタートアップ、PGVが手掛けている。脳波レベルの微小な電圧信号を正確に拾うことができる伸縮FPCの性質と計測技術を活用することで1μV以下の脳波も正確に測定。不快感、負担の少ない装着性に加え、モジュール全体で27gという軽量小型で、「まるで冷却シートを頭に貼るような感覚」で使用ができる脳波センサーを実現している。
パッチ式脳波センサーは既に提供を開始しており、伸縮FPCについても月産数千枚程度で製造している。
日本メクトロンはサイズ、電極のパターンなど顧客の要望に応じた伸縮FPCのカスタマイズを行っており、250×200mm程度のサイズ内であればすぐに量産対応が可能。A3サイズの製品も生産している。また、例えばパッチ式脳波センサー用の伸縮FPCの場合はデバイスと接続するための端子パターンの印刷や、接続を容易にするため端子部分のフィルムの変更および補強なども一括して対応。「1つの製品内で機能ごとに作り分けを行っている。量産レベルでここまでのモノづくりができるのが当社の強みだ」と説明している。
この伸縮FPCは基本的に使い捨て用途を想定しているため、同社説明担当者は、「より多くのアプリケーションを増やし生産量を増加していくことで、コスト低下につなげたい」としている。
そうしたなかで同社ブースで応用例として紹介していたのが、微細な電気刺激で筋肉を伸縮運動させるEMS機器への利用だ。同社の伸縮FPCは最大5Vの電圧にも対応しており、一般的なEMS機器で利用が可能だという。
一般的なEMS機器で用いる装着用のパットは分厚いものが多く、かがむなど姿勢を変えるとはがれてしまうことがあるが、同社の伸縮FPCであれば前述の装着性からそうした問題がなく、同社説明担当者は「装着中も自由に体を動かすことができるようになる」と利点を説明していた。
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