Congatecの日本法人であるコンガテック ジャパンは、「第7回 IoT&5Gソリューション展【秋】」(2021年10月27〜29日、幕張メッセ)で、同社が手掛けるさまざまな産業用コンピュータモジュールやシングルボードコンピュータを展示した。
Congatecの日本法人であるコンガテック ジャパンは、「第7回 IoT&5Gソリューション展【秋】」(2021年10月27〜29日、幕張メッセ)で、同社が手掛けるさまざまな産業用コンピュータモジュールやシングルボードコンピュータを展示した。
標準フォームファクターのCOM Expressを使用したシングルボードコンピュータとしては、Intelの「第11世代 Intel Coreプロセッサ」(開発コード名:Tiger Lake)を搭載した「conga-TC570」や、AMDの「Ryzen V2000」を搭載し、グラフィックス性能に強みを持つ「conga-TCV2」などを展示した。
最新の規格である「COM-HPC Client」に対応した製品も展示した。COM-HPCは、プロセッサの進化に合わせてデータ転送関連の性能を強化した規格。最大65レーンのPCI Express(PCIe) Gen 5.0や、2×100GbE(ギガビットイーサネット)などをサポートする。モニターへの接続など各種I/Oを含めたCOM-HPC Clientと、純粋にCPUのパワーだけを追求した「COM-HPC Server」がある。コンガテック ジャパンでカントリーマネージャーを務める奥村康弘氏は、「プロセッサの性能が向上するにつれ、COMではコネクターがボトルネックになってきた。(COM-HPC対応の)新しいコネクターは従来に比べて4倍の伝送幅を持つ」と説明する。
なお、COM-HPCは2020年12月に最初のドラフトがリリースされ、現在、対応品のサンプルが市場に出始めたところである。
カスタマイズ品としては、AMDの「EPYC Embedded 3000」シリーズを搭載した、ファンレスの筐体を展示した。「congatecのパイピング技術を生かして、筐体の両側から放熱することでファンレスを実現している。当社はこうした冷却技術にも注力している」(奥村氏)
省電力モジュールへの要求も高い。Congatecは、最新世代の「Intel Atom」プロセッサ(Elkhart Lake)を搭載した製品をそろえている。Pico-ITX対応のシングルボードコンピュータ「conga-PA7」や、COM Express Compactを使用した「conga-TCA7」、比較的新しいSMARCモジュール「conga-SA7」、成熟していて引き合いも多いQsevenを使用した「conga-QA7」などがある。
NXP Semiconductorsのプロセッサ「i.MX 8M」シリーズなどを搭載した製品も提供する。奥村氏は「Armベースのプロセッサの性能が上がるにつれて、モジュールを使いたいといった声も大きくなってきた。プロセッサの性能が上がるとハードウェアの設計がより複雑になるからだ」と説明する。
コンガテック ジャパンは2012年に設立された。奥村氏は「日本は、売り上げ面での貢献はまだこれからだが、ここ最近の販売戦略が功を奏し、顧客からの評価は上がっている」と語る。「当社が手掛けるモジュールを使うのは、半導体製造装置や工作機械、ロボットアームなどを含めた、さまざまな分野の製造装置だ。そのため、日本の市場規模は非常に大きい。Congatecは、2025年までに売上高を2020年比で2倍にするという積極的な計画を打ち立てている。日本もそれに貢献できればと思っている」(同氏)
なお、昨今の半導体/部品不足については、「開発にはそれほど大きな影響はないものの、とにかく部品が足りなくてニーズに追い付けない。“このコネクターはなくてもいいから、製造してほしい”といった、イレギュラーな対応をすることもある」と語った。
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