2021年11月15日(米国時間)、世界初の商用マイクロプロセッサであるIntelの「4004」発表から50周年を迎えた。同社の日本法人インテルは同月16日、オンラインで記者説明会を開催し、同社マイクロプロセッサの歴史や最新製品である第12世代「Core」プロセッサファミリーについて説明した。
2021年11月15日(米国時間)、世界初の商用マイクロプロセッサであるIntelの「4004」が発表から50周年を迎えた。同社の日本法人インテルは同月16日、オンラインで記者説明会を開催し、同社マイクロプロセッサの歴史や最新製品である第12世代「Core」プロセッサファミリーについて説明した。
Intelは1971年11月15日、世界初の商用マイクロプロセッサとして4004を発表した。4004は、金属酸化膜半導体(MOS)シリコンゲート技術(SGT)を単一のチップに組み込んだ、当時としては先進的な集積回路設計を実装。エンジニアリングにおけるこの歴史的な偉業によって、プロセッサ業界で同社の知名度は世界的に急上昇したという。
同社のマイクロプロセッサの歴史をさかのぼると、1969年、日本計算機販売(現、ビジコン)が同社のエンジニアリングプロトタイプ計算機に搭載させる集積回路群の設計をIntelに打診したことから始まる。当初は12個のカスタムチップを用いる計画での依頼だったというが、「当時のIntelの設計部隊は12個のカスタムチップを作るだけの設計リソースがなかった」(同社)ことからIntelは計画を変更。代わりに4つのチップの構成とした設計で要件に対応することになった。そのうちの1つが、さまざまな製品で汎用的に使用できるようにプログラムされたマイクロプロセッサの4004だった。この4004のアイデアを提案したのは同社設計者のMarcian E. (Ted) Hoff氏で、同社は、4004の設計には同氏のほかFederico Faggin氏、Stanley Mazor氏が携わったとしている。
インテル執行役員常務 第二技術本部長の土岐英秋氏は、「このマイクロプロセッサが登場するまで、コンピュータといえば大きな建屋内に大きな仕掛けを入れたものだった。それと同等の能力を本当に小さなサイズで実現したということは画期的だった」と語った。
4004の発表以降50年間、同社は、「8080」「8086」「486」などのマイクロプロセッサを続々と開発してきた(下図)。なお、486は現CEO(最高経営責任者)のPat Gelsinger氏がリードアーキテクトとして開発に携わったもので、土岐氏は、「当時、私は既にインテルの社員だったが、衝撃的なデバイスだった。486そのものも優秀だったが、すぐにDX2、DX4が登場し、動作周波数があっという間に100MHzに到達した、非常に優秀な石だった」と振り返る。
その後も、同社は「Pentium」や「Xeon」「Centrino」そして「Core」などを次々と開発して事業を拡大。そして、2021年10月には最新製品である「Alder Lake」(コードネーム)こと第12世代Coreプロセッサファミリーを発表している。
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