ノベルクリスタルテクノロジーは、アンペア級の大電流に対応する耐圧1200Vの「酸化ガリウムショットキーバリアダイオード」を開発した。2023年の製品化を目指す。次世代電気自動車や空飛ぶクルマなどの用途に向ける。
ノベルクリスタルテクノロジーは2021年12月、アンペア級の大電流に対応する耐圧1200Vの「酸化ガリウム(β-Ga2O3)ショットキーバリアダイオード(SBD)」を開発したと発表した。2023年の製品化を目指す。次世代電気自動車や空飛ぶクルマなどの用途に向ける。
ノベルクリスタルテクノロジーは、タムラ製作所からのカーブアウトベンチャーで、情報通信研究機構(NICT)の技術移転ベンチャー。同社は2017年より、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/β-Ga2O3 SBDの製品化開発」に取り組んできた。
そして今回、研究試作ラインとファウンドリを活用し、2インチウエハーを用いたトレンチ型β-Ga2O3 SBDの量産対応プロセスを開発した。アンペア級の大電流に対応する耐圧1200V品の開発に成功したのは世界でも初めてという。
これまで、大電流に対応できるβ-Ga2O3SBDは、プレーナ型の構造が一般的に用いられてきた。製造プロセスが比較的容易なためである。ところがこれだとリーク電流が大きく、耐圧1200V品を作製することは難しかったという。これに対し同社は、逆方向リーク電流を1000分の1に低減できるトレンチ構造のGa2O3SBDを開発し、その高耐圧化や大電流化に取り組んできた。
今回試作したトレンチ型β-Ga2O3 SBDは、順方向電流IF=2A(VF=2.0V)で耐圧1200V、リーク電流は10-9A以下と小さい。今回は2インチウエハー量産対応プロセスによって試作したが、既に100mmウエハーを用いた量産対応プロセスも開発中だという。
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