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» 2021年11月24日 16時30分 公開

4インチGaN結晶、大型実証設備で均一に成長日本製鋼所と三菱ケミカル

日本製鋼所と三菱ケミカルは、大型のGaN(窒化ガリウム)基板製造実証設備を用いて製造した4インチのGaN結晶が、計画通りに成長していることを確認した。2022年度初めより、GaN基板の供給を始める予定である。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

SCAAT-LP を活用、2022年度初めより市場への供給を開始

 日本製鋼所と三菱ケミカルは2021年11月、大型のGaN(窒化ガリウム)基板製造実証設備を用いて製造した4インチのGaN結晶が、計画通りに成長していることを確認したと発表した。2022年度初めより、GaN基板の供給を始める予定である。

 両社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト」において、日本製鋼所M&E室蘭製作所(北海道室蘭市)内にパイロット設備を建設した。このパイロット設備には、日本製鋼所が開発した高温高圧オートクレーブ(圧力容器)を設置、低圧酸性アモノサーマル法を用いて結晶成長に取り組んできた。

 2017〜2019年度に実施した研究では、三菱ケミカル独自の液相成長技術(SCAAT)を活用し、高品質で生産性が高いGaN基板の製造技術「SCAAT-LP」を開発、4インチのGaN結晶が均一に成長していることを確認していた。

 さらに、2020年度より始まったNEDOの助成事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」では、「SCAAT-LP」を用いたパワー半導体向け大口径GaN基板の量産に向けた実証実験に取り組んでいる。2021年5月には、パイロット設備に比べてはるかに大きいオートクレーブを導入した大型実証設備が稼働、GaN基板の大量製造が可能となった。

「SCAAT-LP」を用いて成長したGaN結晶と、大型オートクレーブのイメージ図 出所:日本製鋼所、三菱ケミカル

 実証設備の総面積は266m2で、大型オートクレーブ装置を始め、加熱ヒーターおよび制御装置、アンモニア供給・吸収設備、高純度ガス精製装置などが設置されている。大型実証設備では既に、原料・種結晶の設置から、一連の結晶成長プロセス、結晶の取り出しといった、各工程における安全性や生産性なども確認済だという。

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