新しいデータセンターで注目されているのがResource Disaggregationである。何度も述べているが、クラウドデータセンターではサーバのVirtualization(仮想化)とNon Block Clos Switch Networkにより要求されるサービスに応じて、無駄の少ない柔軟な運用を実現した。これをさらに進めてノードやメモリを仮想化し、運用できれば、無駄をなくすことだけではなく、さまざまなAI/ML/HPCのアプリケーションに対応できる。
ハイパースケールデータセンターが実用化される2010年代以前から、”Rack-Scale Disaggregated System”が議論されていた。図4に、NECのReconfigurable Computingを実現するResource Disaggregated Platformを示した。
Virtualizationにより、アプリケーションに応じてPhysical LayerのCPU、メモリ、IOなどを必要に応じて接続し計算するのである。図5にIntelのRack Scale Design Architecture(RSD)を示す。CPU、ストレージやアクセラレーターなどをプールしたブロックを組み込み、アプリケーションに応じて計算システムを構成するのである。
図6は、2013年のPLX Technology(2014年にBroadcomが買収)のプレゼン資料にあるRack Scale Integrationである。サーバの要素であるCPU、GPU、メモリ、ネットワークインタフェースなどのリソースをトレイに多数搭載し、PCIeスイッチと高速PCIeリンクで接続し、アプリケーションごとに必要なリソースを割り当てるという。将来のPCIe接続が高速化されれば、光技術が必要になることを期待して注目していた。
さて、2022年のDisaggregated SystemはScale UPとScale OUTを可能にし、初期導入コストだけでなく維持管理コストを含めた投資、いわゆるTCO(Total Cost of Ownership)の最適化を図るものでなければならない。Rack-Scale Disaggregated Serverは着々と進められていくように思う。
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