Micron Technologyは、2022会計年度第2四半期(2020年3月3日を末日とする)の業績発表を行い、サプライチェーン問題を回避し、前年同期から約4倍の営業利益(25億4600万米ドル)を達成したことを明らかにした。
Micron Technology(以下、Micron)は、2022会計年度第2四半期(2020年3月3日を末日とする)の業績発表を行い、サプライチェーン問題を回避し、前年同期から約4倍の営業利益(25億4600万米ドル)を達成したことを明らかにした。純利益は、前年同期の6億300万米ドルから、今期は22億6300万米ドルに達した。
MicronのCEO(最高経営責任者)であるSanjay Mehrotra氏は2022年3月29日(米国時間)、アナリスト向けのカンファレンスコールにおいて、「われわれは、業界最先端の1αnmノードのDRAMと、176層の3D NAND型フラッシュメモリ製品を展開し、大幅なコスト削減を実現したことで、このような素晴らしい業績を達成することができた。DDR5移行において業界をリードし、データセンター向けのNVMe SSDとの組み合わせをさらに拡大させていくことで、引き続きポートフォリオの移行を加速させていきたい考えだ」と述べている。
Micronは、中国での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大によるロックダウンや、ロシア/ウクライナ紛争など、現在も同社のサプライチェーンに制約をもたらす恐れがある事象を回避できている。
中国が2021年12月に、COVID-19感染拡大を受けてロックダウンを実施したため、西安市にあるMicronのバックエンド製造工場の生産にもその影響が及んだ。このロックダウンの解除後、同工場は通常の生産レベルまで回復することができた。Micronは、「アジア地域でさらなるロックダウンが実行されることになれば、世界サプライチェーンが制約を受けることになる」とみている。中国はこれまで度々、COVID-19感染症を封じ込めるためのゼロトラレンス(非寛容)政策の一環として、各都市/省全体を封鎖してきた。
また、世界半導体サプライチェーンは現在、ロシアのウクライナ侵攻を受け、さらなるストレス下に置かれている。ウクライナは、希ガスや重要な鉱物資源の供給国だ。Micronは近年、十分な材料レベルを維持すべく、材料供給源の分散化に取り組んできたという。
Mehrotra氏は、「現在のところ、当社の短期的な生産量に関して、ロシア/ウクライナ紛争によるマイナスの影響が及ぶことはないとみている。ただし、リスクにさらされる可能性がある特定の原材料を確保する上で、コストは上昇することになるだろう」と述べた。
Micronは、増加の一途にあるエレクトロニクスアプリケーションで使われている、各種メモリチップの需要が高まっていることから、利益を享受している。同社のメモリ/ストレージ製品は過去20年間にわたり、半導体業界の他のメーカーを上回る売上高を達成してきた。この先の10年間も、AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信)、電気自動車の普及などによって、同様の傾向が続くとみられる。
Micronによると、データセンターは2021年に、メモリ/ストレージ製品の最大市場として、スマートフォンを超える存在になったという。データセンター需要は今後10年の間に、広範なメモリ/ストレージ市場の中でも特に増加していく見込みだ。
また同社は、業界初をうたう、垂直統合型176層NAND採用のデータセンター向けNVMe SSD「Micron 7450 SSD」を発表している。同社によると、現在、データセンター向けドライブの需要が非常に高まっているという。
2022年第2四半期におけるMicronのスマホ向け部門は、5G移行が継続する中、わずかながら成長を遂げたという。中国において地域経済低迷のために市場が脆弱化し、一部の顧客企業が在庫管理を強化したことによる影響があったようだ。
Micronは、「現在成長の一途にある新興市場が、強力な需要をけん引するはずだ」と主張する。
「この先10年間で最も迅速な成長を遂げるメモリ/ストレージ市場は、自動車/産業アプリケーションではないだろうか。これらの市場は現在、Micronの売上高全体の約10分の1を占めている。当社は、市場シェアにおけるリーダーとしての位置付けを確保できている」(Micron)
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