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» 2022年04月27日 14時00分 公開

人の動きで抗菌する繊維「PIECLEX」、製品化が軌道にアンバサダーに武井壮さんが就任(1/2 ページ)

繊維製品の開発、製造、販売を手掛けるピエクレックスは2022年4月26日、同社のブランドアンバサダーに就任した武井壮さんの就任式を開催するとともに、製品や技術を紹介する記者説明会を行った。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 繊維製品の開発、製造、販売を手掛けるピエクレックスは2022年4月26日、同社のブランドアンバサダーに就任した武井壮さんの就任式を開催するとともに、製品や技術を紹介する記者説明会を行った。

ピエクレックスの代表取締役社長を務める玉倉大次氏(左)と、アンバサダーに就任した武井壮さん(右)

圧電技術×化学繊維技術から生まれた「PIECLEX」

 ピエクレックスは、村田製作所と帝人フロンティアによるジョイントベンチャーとして2020年4月に設立。村田製作所の圧電技術と帝人フロンティアの化学繊維技術を掛け合わせ、「電気の繊維」を開発する企業である。主要製品は、植物由来のポリ乳酸(PLA)を原料とする圧電繊維「PIECLEX(ピエクレックス)」だ。PIECLEXに応力が加わると電界が発生し、その電界により繊維周辺の菌が死滅する。つまり、PIECLEXでできた衣服を着用すると、人が動いた際に繊維が伸縮し、電界が発生して抗菌作用が働くことになる。ピエクレックスによると、黄色ブドウ球菌や大腸菌、真菌に対して抗菌効果があるという。

左=ポリ乳酸(PLA)繊維の循環と、抗菌効果を発揮する仕組み/右=「PIECLEX」と従来品の抗菌の比較[クリックで拡大] 出所:ピエクレックス

 ピエクレックスの代表取締役社長を務める玉倉大次氏は、アパレル業界の課題として、「ゴミに出される服の約66%が処分、埋め立てされている。その量は1日当たり1300トンに及ぶ」ことを挙げた。さらに、服1着が作られるまでの間に約25.5kgのCO2が排出されていることにも言及。こうした課題にはアパレル業界も取り組んではいるものの、取り組みが“一方通行”になっているため、作り手と消費者が双方、手軽に楽しみながら環境負荷を減らしていける取り組みを、長く続けることが重要だと語った。

左=アパレル業界では、衣服の廃棄が深刻な課題になっている/右=服1着を製造する際に排出されるCO2の量[クリックで拡大] 出所:ピエクレックス

 その上で、PIECLEXならば、1kgの一般的なPET繊維をPIECLEXに置き換えることで、2kg以上のCO2排出量削減が可能とし、「PIECLEXから作られた衣服ならば、着るだけで環境にも貢献できる。日本全国、全世界で廃棄される衣服のことを考えれば、大きな効果につながるのではないか」と強調した。

PIECLEXで削減できるCO2排出量のイメージ[クリックで拡大] 出所:ピエクレックス

 玉倉氏は、武井壮さんをアンバサダーに起用した理由について、「武井さんは、アスリートとして長く活躍されている一方で、環境省サステナビリティ広報大使にも就任されている。PIECLEXも、体を動かし、運動エネルギーを電気に変える仕組みを持ち、環境にも貢献できる繊維であることから、アンバサダーとして武井さんしかいないと思い、お声がけをした」と語った。

 武井さんは、「環境省サステナビリティ広報大使に就任した際、世界中にたくさんのアスリートやスポーツ愛好家がいる中で、もし、人間の運動量を資源として還元できたら、とてつもないエネルギーになるのではないか、という話をしていた。PIECLEXのコンセプトは、まさに僕が考えていたもの。人が動いて、発電して、環境負荷を減らしていける。共感できることが多く、現在だけではなく、その先の未来も考えられる素材なのではないか」と語った。

会見中、特別に作ってもらったというPIECLEXを用いたグレーのマスクを身に着ける武井さん
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