ソシオネクスト、60GHz電波式測距センサーを開発:測距や角度の信号処理回路を内蔵
ソシオネクストは、人の位置や動きを高い精度で検知できる60GHz電波式測距センサー「SC1240シリーズ」を開発した。2022年第2四半期からサンプル品の出荷を始める。
ソシオネクストは2022年6月、人の位置や動きを高い精度で検知できる60GHz電波式測距センサー「SC1240シリーズ」を開発したと発表した。2022年第2四半期からサンプル品の出荷を始める。
SC1240シリーズの外観 出所:ソシオネクスト
SC1240シリーズは、6.8GHz(57.1〜63.9GHz)という広帯域を利用した測距センサー。アンテナや無線回路、A-Dコンバーター、FIFOメモリ、SPIインタフェース、柔軟にデューティサイクルを変えて電力消費を制御できるシーケンサー機能の他、測距や角度演算用の信号処理回路、自律起動機能などを内蔵した。
SC1240シリーズを用いることで、水平面での位置検出だけでなく高さ方向の情報など、3Dの位置情報を容易に入手でき、複数人の人検知や非接触でのジェスチャー検知といった、高精度なセンシングを可能にした。
SC1240シリーズの平均消費電力は0.72mW(0.1%デューティサイクル動作時)、パッケージは外形寸法が4×7×1.2mmのFC-BGAで供給する。
ソシオネクストは、IEEE 1901-2020準拠のHD-PLC通信用LSI「SC1320A」や、LPWAN 2.0に対応する低電力で低価格のIoTタグ用LSI「SC1330A」などを既に開発済である。これらの製品と電波式測距センサーを組み合わせ、ジェスチャーでの機器操作など、高い精度が要求されるセンシング用途に提案していく。
- ワイヤレス超音波プローブ用チップセットを開発
ソシオネクストは、ワイヤレス超音波プローブ向けに、2種類の専用LSIからなるチップセット「viewphii64」を開発した。このチップセットを搭載したワイヤレス超音波プローブも試作した。
- 第4世代HD-PLC準拠の電力線通信モジュール試作
シキノハイテックとソシオネクストは、電力線通信技術「HD-PLC」の第4世代規格「IEEE 1901-2020」に準拠した電力線通信モジュール「P-TMFSU-041」を試作し、その動作を確認した。2022年度の商品化を目指す。
- ZETA通信を利用したクラウドタグ向けLSIを開発
ソシオネクストと英国ZiFiSenseおよび、テクサーの3社は、ZETA通信規格を利用するクラウドタグ「ZETag」に向けたLSI「SC1330」を開発した。次世代規格「Advanced M-FSK」に対応している。
- ミュオンと中性子によるソフトエラーに明確な違い
ソシオネクストは、高エネルギー加速器研究機構、京都大学、大阪大学と協力し、宇宙線のミュオンおよび、中性子によって生じるソフトエラーは、その特徴が異なることを実験によって解明した。
- ソシオネクストら、次世代ZETA通信規格を策定
ソシオネクストと英国ZiFiSenseおよび、テクサーの3社は、LPWAの1つである次世代ZETA通信規格を共同開発し、仕様の策定を完了した。ソシオネクストが新規格に対応する通信用SoCを2022年3月までに試作し、3社で実証実験を行う。
- ソシオネクスト、車載用SoCにTSMCの「N5P」を採用へ
ソシオネクストは2021年2月4日、同社の自動車向け次世代SoC(System on Chip)に、TSMCの5nmプロセス「N5P」を採用すると発表した。
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