米国のファブレス半導体メーカーであるAstera Labsは最近、カナダでの事業を拡大したが、これは単に従業員数を増やしたというだけではない。同社がグレータートロントエリアに設立した新しい研究開発デザインセンターは、カナダでの成長の序章に他ならない。
米国のファブレス半導体メーカーであるAstera Labsは最近、カナダでの事業を拡大したが、これは単に従業員数を増やしたというだけではない。同社がグレータートロントエリアに設立した新しい研究開発デザインセンターは、カナダでの成長の序章に他ならない。
Astera LabsのCBO(最高事業責任者)を務めるSanjay Gajendra氏は、「オンタリオ州マーカムの同拠点は、シリコン技術と製品開発のエンドツーエンドの設計センターとして、機械学習と人工知能(AI)インフラ向けのインテリジェントコネクティビティソリューションの開発に注力する」と述べる。
Gajendra氏は、「マーカムでは独自の製品を手掛ける。これには製品の設計やテスト、検証、マーケティング、顧客サポートなど、複数の異なる機能が含まれる。完全に自己完結型のビジネスユニットだ」と述べている。
トロントの北のヨーク地域に位置するこの地域は、カナダで2番目に大きなテクノロジーハブで、北米で最も急速に成長しているテクノロジー人材市場の1つとなっている。Astera Labsは、エンドツーエンドの製品開発をサポートするために、複数のエンジニアリング分野にわたって積極的に採用を行っている。「地元の人材を採用し、北米の人材を確保することが、カナダの拠点を開設するための重要な推進力となる」(Gajendra氏)
Gajendra氏は、「当社、そしてより幅広いテクノロジー業界では、海外の人材を採用することがますます難しくなっているため、米国内で人材を確保するという課題に直面している」と説明する。一方、米国カリフォルニア州サンタクララにあるAstera Labs本社で既に働いているスタッフは、長期滞先の確保に苦労しているが、カナダの施設に移れば、北米にとどまることができる。同社は、中国の上海や北京、深セン、台湾の台北にもオフィスを構えている。
Gajendra氏は、「他の半導体IP(知的財産)および大手テクノロジー企業と連携して、大学を卒業する学生を含む地元の人材が、当社の半導体製品の開発に興味を持つような機会を提供した」と述べている。
「当社はAIと機械学習に取り組んでおり、これは考え得るほぼ全ての地域で主要かつ大きな成長市場になると予想される」(Gajendra氏)
同氏は、「Astera Labsはスタートアップ段階からスケールアップ段階に移行しているため、チームを成長させるためにトロントの人材を採用することは非常に理にかなっている。特に、大学は長期的に人材を確保することができるため、大いに期待している」と付け加えた。
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