Gajendra氏によると、Astera Labsでは雇用以外でも、地元の大学と何らかの技術パートナーシップを構築する可能性を視野に入れている。同氏は、「半導体開発、またはクラウドでのAI/機械学習インフラの配備のいずれかに関連した、一部の新興領域で連携することができる」と述べた。
Gajendra氏は、「クラウドにおけるAIの実装は、データセンターで機能しているインフラが、さらに顕著になりつつある新たな作業負荷に対応するため、大きく変わる必要に迫られていることを意味する」と述べた。そのような作業負荷には、膨大な量のデータだけでなく、迅速に処理しなければならない、より複雑なデータも含まれる。
結果として、メモリ、CPU、GPUといったリソースでの接続性向上を目的とした、CXL(Compute Express Link)プロトコル関連の開発が最優先となる。Gajendra氏は「接続性はスピードだけでなく、プロビジョニングのためにも重要だ」としている。
2021年末、Astera Labsは「Leo CXL Memory Accelerator Platform」を発表した。これを用いると、CPUはCXLに接続されたDRAMと永続的メモリにアクセスし、それらを管理できるようになる。その結果、集中型のメモリリソースをより効率よく利用できるようになり、性能を落とすことなくスケールアップすることが可能になる。2021年、CXLが勢いを増す中で数多くのCXL製品がリリースされたが、Leoアクセラレーターはそのうちの1つである。
Gajendra氏によると、Astera Labsはカナダ西海岸に位置するブリティッシュコロンビア州バンクーバーへの進出を視野に入れており、今回のグレータートロントエリアはその第一歩にすぎないという。同氏は「当社は、トロントとバンクーバーに“いかり”を下ろしつつ、カナダ全土での投資/拡張を進める計画だ」と述べた。
2022年初め、カナダ政府は「Strategic Innovation Fund」を通じたファンド「Semiconductor Challenge Callout」を発表した。対象を定めた投資を行うことで、半導体の開発/供給に関連したカナダ国内の強みを構築することを目指す。
カナダの半導体分野には、マイクロチップの研究開発を手掛ける自国企業と多国籍企業が100社以上参入している。また、同国内の製造拠点としては、応用研究所が30箇所あるほか、化合物半導体、微小電気機械システム(MEMS)、高度なパッケージングといった領域の施設も5箇所ある。
【翻訳:滝本麻貴、青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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