Amber Solutionsは2022年6月16日から、社名をAmber Semiconductor(AmberSemi)に変更することを発表した。
Amber Solutionsは2022年6月16日から、社名をAmber Semiconductor(AmberSemi)に変更することを発表した。
インテリジェントシステムやスマートセキュリティシステムなどのオートメーションソリューションは、住宅と商用ビルの両方で機が熟しているが、古い電気インフラが障害になる場合が多い。AmberSemiは、スマートコンセントやサーキットブレーカーなどのアプリケーション向けにソリッドステート電気ソリューションを多数開発してきた。ソフトウェア管理を組み込むことで、サードパーティーのセキュリティおよびオートメーションプロバイダーや電気技師/電気工事業者が建物の電気配線端末に採用するための高度な制御基盤を提供する。
AmberSemiの主要なミッションは、電気製品のアーキテクチャを、1950年代にまでさかのぼることができるほど旧式(だが現時点では標準)の技術から、シリコンやアークフリーの電力管理、最新の人工知能(AI)センシングをベースとした、“第2の電気革命”を象徴する、より小型で安全なスマートシリコンチップに変換することだ。AmberSemiのCEO(最高経営責任者)を務めるThar Casey氏はインタビューの中で、「パワーエレクトロニクスと半導体の両分野は進化しており、非常に魅力的な市場である」と語っている。
Casey氏は、「当社は非常に早い段階から技術ソリューション企業であり、当社の技術がいずれはシリコンチップに搭載され、市場に出ることが分かっていた。ただし当初は、純粋に技術ライセンス供与を行うのか、チップを中心とした完全な最終製品を提供するのかなど、ビジネスモデルや市場開拓の方法は、正確には決まっていなかった。現在、われわれは明らかにファブレス半導体企業であり、技術を搭載した独自のチップは、半導体市場だけでなく電気製品市場にもイノベーションをもたらすと自負している。従って、社名を変更することでこうしたメッセージを世界に伝えることが不可欠だった」と語る。
米国のコンサルティング会社であるMcKinsey & Companyは最近、半導体ビジネスが今後10年間、驚異的なペースで発展し続け、2030年には現在の2倍となる1兆米ドル規模に成長すると予測する論文を発表した。McKinseyは同論文の中で、「AmberSemiの技術は、民生機器や産業機器、ワイヤレス通信、情報技術など、McKinseyが重視する成長分野の75%に直接的な相乗効果もたらすもので、AmberSemiは長期的な成功が期待される確固たるポジションにある」と述べている。
Casey氏によると、同社が今回、社名をAmber Semiconductorに変更した背景には、2022年以降に向けたビジネス目標達成への意欲(主にパートナーシップ)があるという。パートナーシップにより、同社の主要技術である、AC電源からのDC直接変換(「AC Direct DC Enabler」)や、出力制御/電源保護(AC Direct Indestructible Switch Controller)、電力供給網の状態や変化の持続的なリアルタイムセンシング(「AC Direct Sensing」)などを提供できるようになる見込みだ。これらは全て、シリコンチップに搭載して提供する技術である。
AmberSemiの社名変更は、同社が主要市場における自らの位置付けを定義し、半導体および電気製品の両分野で存在感を高めていくための取り組みにおいて、重要な戦略的行動だと言えるだろう。
Casey氏は、「われわれは、自社のソリューションを検証すべく、複数のメーカーと共同で一連の技術評価を終えたところだ。これらのメーカーは、照明調節スイッチやソケット、各種スイッチ、ブレーカーなどの他、建造物に向けたあらゆる電気製品を手掛け、半導体/エレクトロニクス業界でも一流とされている企業である。当社は、社名変更により、自らのアイデンティティーを明示し、『半導体メーカーおよび電気製品メーカーの両方に画期的なエネルギー技術を提供する、ファブレス半導体メーカーである』と定めることができる」と語る。
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