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HDD大手Western Digitalの業績、前期比では3期ぶりの増収増益を達成福田昭のストレージ通信(226)(1/2 ページ)

米Western Digitalの2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の業績を紹介する。

» 2022年08月10日 16時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

前年同期比では前期比とは逆に減収減益に

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2022年7月21日、WDが同年8月5日である。そこで前回はSeagateの四半期業績について概要を説明した。今回はWDの四半期業績をご報告する。

 WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。8月5日にWDが発表したのは2022年4月〜6月の四半期業績で、会計年度では「2022会計年度第4四半期」となる。

 2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の売上高は前四半期比(前期比)3%増、前年同期比8%減の45億2800万米ドルである。前期比は3四半期ぶりに増加した。前年同期比は逆に、5四半期ぶりに減少した。なおWDはフラッシュメモリ応用品とHDD製品が売り上げのおよそ半分ずつを占める(両者の売り上げ比率は四半期ごとに若干の変動がある)。

 2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期比(前期比)8%増、前年同期比15%減の7億200万米ドルである。粗利益率(Non-GAAPベース)は32.3%で、前四半期比(前期比)だと0.6ポイント増、前年同期比では0.6ポイント減となった。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は15.5%である。前四半期比(前期比)では0.7ポイント増、前年同期比では1.3ポイント減となった。

2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の業績概要(Non-GAAPベース)[クリックで拡大] 出所:Western Digital

 2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の概況としては、地域を問わずハイパースケール分野とOEM分野で顧客との長期的かつ発展的な関係が業績に貢献した。特に大容量HDDの新製品開発で業界を主導していること、データセンター向けでNVMeエンタープライズSSDに勢いがあることが、顧客との信頼関係を築いているとする。かなり分かりにくく、曖昧な表現だ。

 フラッシュメモリ応用品では、エンタープライズSSDの売上高が前期比で連続して2倍を超えた。ゲーム向けでは「PlayStation 5(PS5)」のストレージに認証されたことなどから、ゲーム機器向けフラッシュストレージの総出荷記憶容量が前年同期比で70%増となった。第5世代(BiCS5)品のNANDフラッシュメモリの売り上げはフラッシュ全体のおよそ半分に達した。次世代(BiCS6)品の量産立ち上げは2022年(暦年)の年末から2023年(暦年)を予定する。

 HDD製品では、最新世代のエネルギーアシスト大容量HDD製品に対する強い需要がクラウド分野で生じた。このため、ニアラインHDDの総出荷記憶容量は過去最大に近い111EB(エクサバイト:1018バイト)に達した。記憶容量が22TB(テラバイト:1012バイト)と大きな従来型HDDを出荷するとともに、記憶容量が26TBとさらに大きなSMR(Shingled Magnetic Recording)型HDDの認証作業を進めつつある。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない[クリックで拡大]
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