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光学技術で独自の地位を築くams OSRAMエミッターからセンサーまで(2/3 ページ)

» 2022年11月28日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

2万5600個のLED素子を個別に制御

 ams OSRAMの技術力を表している車載向け製品としてStockmeier氏が挙げるのが、LEDチップ「Eviyos(エバイオスのように発音)」だ。これは、2万5600個のLED素子をわずか40mm2の実装面積に収めたデバイスで、この2万5600個のLED素子を個別に制御できる。これにより、Eviyosを搭載したヘッドライトは柔軟な配光制御ができるようになる。「当社は、IC設計、マイクロ光学、LED開発、全ての技術を保有している。Eviyosはそれを体現している製品の一例だ」(Stockmeier氏)

2万5600個のLED素子を個別に制御できる「Eviyos」により、このように前方にロゴや標識などを投影するなど、新しい用途が可能になるとStockmeier氏は説明する 出所:ams OSRAM

3Dセンシング向けセンサーから超低消費電力のイメージセンサーまで

 モバイル/ウェアラブルも重要な市場だ。ams OSRAMは、OLED(有機EL)ディスプレイ管理やカメラ機能の強化に向けた光センサーやカラーセンサー、AR/VR向けに3D(3次元)センシングを実現するためのToF(Time of Flight)センサーやLED、ディスプレイ用のマイクロLEDなど、幅広い製品群をそろえている。

 産業機器や医療機器では、バイタルサインモニタリング用のセンサーや、殺菌用のUV-C LEDなども扱っている。

モバイルやウェアラブル機器向けの製品(左)と産業および医療機器向けの製品[クリックで拡大] 出所:ams OSRAM
「Mira 220」のイメージ 出所:ams OSRAM

 2022年7月には、AR/VR製品やドローン、ロボット、無人搬送車などに向け、グローバルシャッターNIR(可視光・近赤外)イメージセンサーである「Mira 220」を発表した。Mira 220は裏面照射技術により、わずか2.79μmの画素サイズで高い感度と量子効率を実現しているという。5.3mm角と小型で、スリープモードで4mW、フル解像度で90fps(フレーム/秒)でも350mWという低い消費電力も大きな特長だ。

 Stockmeier氏によれば、ams OSRAMはMira 220の次世代品の開発に、既に着手している。「Miraファミリーの進化の方向性としては、さらなる低消費電力化、高感度化、S/N比の改善などが挙げられる。次世代品ではピクセルアーキテクチャも刷新される予定だ」(同氏)

RGB表面実装レーザーモジュール「Vegalas」のデモの様子。RGBのレーザー素子を、7×4.6×1.2mmの小型モジュールに収めている。小型なことから、AR/VR用のスマートグラスの用途に向ける。2023年前半に量産を開始する予定だ[クリックで拡大]
Vegalasを使用して、映像をスマートグラスに投影している様子[クリックで拡大] 出所:ams OSRAM
左=3Dセンシングのデモ。ams OSRAMのドットプロジェクターを使用して、両手を画像化したもの。ドットパターンを照射し、その反射から距離を測定してマッピングしている/中央=ドットプロジェクター。エミッターと光学システムを1個のコンポーネントに組み込み、小型化している/右=ドットパターンが照射されていることが分かる

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