光センサーなどを手掛けるオーストリアamsが、ドイツの照明メーカーOSRAM Licht(以下、OSRAM)を買収したのは2020年7月のことだ。以来、両社はams OSRAMとして、LEDなどのエミッター、レンズやライトなどの光学コンポーネントやモジュール、光センサー/バイオセンサー/イメージセンサー、エミッタードライバーICやアルゴリズムを展開している。
光センサーなどを手掛けるオーストリアamsが、ドイツの照明メーカーOSRAM Licht(以下、OSRAM)を買収したのは2020年7月のことだ。以来、両社はams OSRAMとして、LEDなどのエミッター、レンズやライトなどの光学コンポーネントやモジュール、光センサー/バイオセンサー/イメージセンサー、エミッタードライバーICやアルゴリズムを展開している。
光センサーやイメージセンサーをコアコンピタンスとするamsと、光源などの光学部品に強みを持つOSRAMの歴史を合わせると、約110年にもなる。CTO(最高技術責任者)を務めるThomas Stockmeier氏は、「amsとOSRAMが統合されたことで、個々の技術として存在していた光関連のビジネスを、一つの大きな傘の下で展開できるようになった。これは、自動車やモバイル機器、医療機器などの分野で製品を訴求するに当たり、非常に重要になっている」と語る。
さらに同氏は、「当社はとにかく小型なものを作るのが得意」と述べる。「特に、光源からセンサー、光学コンポーネントまで全て小型なパッケージに収めて、ソリューションを展開できることがわれわれの強みだ」(同氏)
光関連の製品を一気通貫で提供できること、そして小型ソリューションを開発できることという2つの強みを生かし、ams OSRAMは自動車、モバイル/ウェアラブル機器、産業機器/医療機器の分野に攻勢をかけている。
とりわけ自動車分野は最大の注力市場に位置付ける。昨今、自動車では照明やセンサーの重要性が高まっているとStockmeier氏は述べる。例えば照明は、クルマの差異化要素にもなっている。「ひと昔前は、クルマのライトといえばフロントライトくらいだったが、最近は内装や外装のデザイン性を高めるコンポーネントと捉えられている」(同氏)。センサーに関しては、ADAS(先進運転システム)/自動運転に欠かせない部品になっている。Stockmeier氏は「こうしたアプリケーションに必要なLEDや光センサー、イメージセンサー、光学モジュールを、当社であれば一気通貫で提供できる。これらをそれぞれ別のメーカーから調達するのは、設計者にとって大きな負担になるだろう」と述べる。
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