光学技術で独自の地位を築くams OSRAM:エミッターからセンサーまで(3/3 ページ)
Stockmeier氏は「日本には多くのビジネス機会がある」と語る。「例えば自動車分野では、多くの自動車メーカーやティア1メーカーが存在する。自動車以外のコンシューマー、産業機器、医療機器でも当社のテクノロジーを活用できる分野は多い。われわれにとって、日本市場は重要な位置付けになっている」(同氏)
日本での戦略の一環として2021年7月には、セールスとサポートを行う拠点を名古屋に新設した。ams OSRAM日本地域統括バイスプレジデントである神永眞杉氏は「自動車関連の顧客からは、問題があれば、その日のうちに何らかの解決策を求められることが多い。そのため、顧客により近い場所でサポートすることが重要になる」と語る。
Stockmeier氏は、ams OSRAMがR&Dにも積極的に投資していると強調する。同社の2021年の売上高は50億3800万ユーロ。そのうちR&Dには、売上高の約13%となる6億4200万ユーロを投入している。「競合他社を追随するというよりも、業界を先導していくメーカーでありたい。顧客とも常にコンタクトを取り、次の技術トレンドやニーズをヒアリングしてR&Dに生かしている」(同氏)
ams OSRAMは世界中に2500人のエンジニアを抱える。「エンジニア同士が日々、議論を重ねている。実際に、私のところには毎日のように新しいデバイスのアイデアが届く。それを聞くのは非常にエキサイティングだ。企業を差別化するのは最終的には人材だ。こうしたエンジニアの存在が、ams OSRAMの技術の差異化につながっている」とStockmeier氏は語った。
- ams、Osramの買収を完了
光学センサーなどを手掛けるオーストリアamsは2020年7月9日(現地時間)、ドイツの照明メーカーOsram Licht(オスラム・リヒト、以下Osram)の買収を完了したと発表した。amsはOsramの全株式の69%(自己株式を除く)を保有することになる。
- ams、ソリッドステートLiDAR技術でIbeo、ZFと提携
amsの日本法人amsジャパンは、5月21日、東京都内で事業戦略に関する説明会を実施した。来日したamsの最高執行責任者(COO)のThomas Stockmeier氏は、車載領域の事業に注力する方針であることを強調し、「今後数年で、モバイル関連領域の事業に次ぐ、ナンバー2のビジネスになる」とした。また、amsが、ソリッドステートLiDAR技術促進のため、独Ibeo Automotive Systems、独ZF Friedrichshafenの2社と提携したことも発表。2021年までに同技術の実用化を目指すことを明かした。
- amsジャパン、小型デジタルカメラモジュールを発売
amsジャパンは2021年8月、使い捨て内視鏡に向けた小型デジタルカメラモジュール「NanEyeM」を発売した。
- CMOSイメージセンサーで新たなビジネス機会、ams
amsは2019年12月3日、東京都内で記者説明会を実施、同社のCMOSイメージセンサー担当マーケティングディレクター、Tom Walschap氏が事業戦略や新製品を説明した。
- 顔認証をもっと安価で手軽に、amsの「Seres」
amsジャパンは2019年11月12日、より低コストで顔認証などの3次元(3D)センシングが可能になる、アクティブステレオビジョン(以下、ASV)製品「Seres(セレス)」を発表した。“アクティブステレオ”の名の通り、2個のカメラとドットパターンプロジェクターを使い、カメラの視差情報と、プロジェクターで投影するパターン画像によって、3D距離計測を行うための製品だ。
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