TSMCは、AppleやAMDといった顧客のサポートを受け、米国アリゾナ州での2つの半導体施設に対する総投資額を3倍以上のおよそ400億米ドルに拡大した。2つ目の製造施設では、2026年に3nmノードでの製造が開始される予定だという。
TSMCは、AppleやAMDといった顧客のサポートを受け、米国アリゾナ州での2つの半導体施設に対する総投資額を3倍以上のおよそ400億米ドルに拡大した。これは、米国による国内半導体製造の復興に向けた取り組みの後押しとなっている。
世界最大の半導体ファウンドリーであるTSMCによると、アリゾナ州フェニックス近郊の用地に置かれる2つ目の製造施設では、2026年に3nmノードでの製造が開始される予定だという。製造が開始されれば、米国で最も先進的な半導体が作り出されることになる。
Apple、AMD、NVIDIAといったTSMCの最大顧客のCEO(最高経営責任者)らは、2022年12月6日(米国時間)にアリゾナ州で開かれた記念イベントに列席した。AppleのCEOであるTim Cook氏とAMDのCEOであるLisa Su氏は、それぞれの企業がアリゾナ州のTSMCから半導体を調達する計画であると述べた。
Cook氏は「アリゾナ州の新たな製造施設において、TSMCの最大顧客になることを光栄に思う」と声明を発表している。
TSMCの五大顧客のうちの1社であるAMDも、アリゾナ州におけるプロジェクトに期待を寄せている。Su氏は、米国EE Timesに提供したコメントの中で「われわれは半導体製造のリーダーであるTSMCのおかげで、最善のこと、つまりは世界を変えるような革新的な半導体の開発に注力できる。AMDは、TSMCのアリゾナ州の製造施設の重要なユーザーになるだろう。当社の最も高性能な半導体が米国内で作られることを楽しみにしている」と述べた。
ホワイトハウスの声明によると、米国のジョー・バイデン大統領はApple、AMD、NVIDIA、ASMLのCEOと共にイベントに列席したという。AppleとAMDはTSMCの最大顧客だ。
米国国家経済会議でディレクターを務めるBrian Deese氏は、ホワイトハウスの発表の中で「CEOたちがこの機会を記念するために一堂に会したことは、これが単なる一つの着工ではなく、米国の革新的な半導体エコシステムをどのように構築していくかを示す機会であるという事実を反映している。商務長官のGina Raimondoと私は、各CEOおよびバイデン大統領と、戦略の現状や協力体制について議論していく。また、輸出規制に関する問題やCHIPS法(正式名称:CHIPS and Science Act)の実施に関して、われわれが業界に明確な指針を示せているかも確認する」と述べた。
TSMCは「今回の投資はアリゾナ州での外国企業による直接的な投資として最大規模のものだ」とコメントしている。
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