TSMCがアリゾナ工場投資を3倍強に、3nmノード製造へ:Apple、AMD、NVIDIAが主要顧客(3/3 ページ)
Hutcheson氏によると、TSMCはApple、NVIDIA、AMDといった最大顧客のサプライチェーンの安全性を確保するため、戦略的な投資を行う必要があるという。
同氏は、「今投資をやめれば、景気好転に備えられない」と述べた。
TSMCのアリゾナ拠点は、TSMCの直接雇用4500人を含め、約1万人の高報酬の技術職雇用が創出される見込みという。
O'Donnell氏は、「TSMCは、世界中の政府が提示している補助金を考慮すると、生産拠点を台湾から移転することは理にかなっていると確信しているようだ。TSMCは地理的多様性の必要性を認識しており、Intelと同様、米国や欧州の主要国数カ国が提供する、半導体製造に対する補助金を利用したいと考えているようだ」と語った。
TSMCは、「アリゾナ拠点では、敷地内に産業用水再生プラントを建設する計画段階であり、完成すれば、排水をほぼゼロにすることができる」と述べている。
TSMC会長のMark Liu氏は、「アリゾナ拠点は、完成すれば米国で最も環境に配慮した半導体製造施設となる。われわれは、この場に導いてくれた継続的な協力関係に感謝すると同時に、米国のパートナーとともに、半導体イノベーションの拠点として機能できることをうれしく思う」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
- TSMCがアリゾナの工場拡張か、3nm製造の可能性も
TSMCは2022年11月9日、米国アリゾナ州で2番目の工場となり得る施設を建設中であると明かした。TSMCは2022年に、約120億米ドルを投資して、アリゾナ州に5nmプロセスノード対応工場を建設すると発表している。
- 2nm世代の国産化へ、国内8社出資の製造会社Rapidus始動
経済産業省は2022年11月11日、2nmプロセス以下の次世代半導体の製造基盤確立に向けた研究開発プロジェクトの採択先を、ソニーグループやキオクシアなど国内8社の出資で設立した半導体製造企業Rapidus(ラピダス)に決定したと発表した。
- TSMC、見通し悪化で生産能力拡張計画を360億ドルに削減
TSMCは、スマートフォンやその他の家電メーカーからの需要の見通しの悪化を受け、2022年の生産能力拡張予算を同年7月に発表した当初の400億米ドルから360億米ドルに削減するという。
- Samsung、2027年に1.4nmプロセス量産へ
Samsung Electronicsは、2027年に1.4nmプロセスでの量産を行うというファウンドリー事業に関するロードマップを発表した。
- サプライチェーン専門家がCHIPS法を分析
IntelとMicron Technology、Samsung Electronics、TSMCはそれぞれ、米国に工場を建設する計画を発表した。これはひとえに、米国内の半導体製造を再構築することを目的としたCHIPS法(正式名称:CHIPS and Science Act)によるものだといえる。サプライチェーンの専門家は米国EE Timesに対して、「この取り組みはICの国内供給の確保にとどまらないはずだ」と語っている。
- メモリ市場崩壊で、TSMCが22年3Q半導体売上高トップに
米国の市場調査会社IC Insightsは2022年9月7日(米国時間)、2022年第3四半期の半導体企業売上高ランキングの予想を発表した。同社は、2022年後半にメモリ市場が"崩壊"したことで、TSMCがSamsung Electronics(以下、Samsung)を抜き首位に立つと予想している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.