ET&S分野は、為替の好影響やデジタルカメラの増収から売上高は前年同期比10%増の7528億円、営業利益はテレビの減収の効果があったものの、デジカメの増収効果などにより同1%増の811億円となった。十時氏は、「市場の変化に機敏に対応し、景気減速やテレビなど一部のカテゴリーでの市場環境悪化の影響を最小限に抑えることで、前年度と同水準の利益を確保できた」と説明した。
また、中国での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の再拡大によるサプライチェーンの混乱については、「販売への影響を出さない範囲でコントロールできているが、春節明けの状況を注意深く見守り、必要な対応を取る」と説明。2023年度にかけ、事業環境は一段と厳しくなると想定し、「第4四半期の販売計画をより保守的に見直すとともに、2023年度に悪影響を持ち越さないこと、事業構造のさらなる強靭化に向けた取り組みを前倒しで進める」と語った。通期の売上高見通しは、前回予想から300億円減の2兆4800億円としている。
なお、PS5の生産状況については、前述の通りソニーは大幅に生産を拡大。2022年第3四半期の販売台数は710万台となり、12月末までの累計台数は3200万台を突破したという。同社は、この実績を踏まえ2022年度の通期販売台数見通しをこれまでの1800万台から100万台増の1900万台に上方修正した。十時氏は、「オペレーションの最適化によって強い需要に応え、一台でも多く販売できるように全力で取り組む」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.