IOWN構想の実現を目指す「IOWN Global Forum」には、日本国内の他、アジア、米国、欧州を含む117カ国が加入。2023年3月1日には、通信大手のKDDIとの連携協力も発表している。なお、エヌビディアやOracle、アマゾンウェブサービスジャパンなど計12社/組織が既にAPN IOWN1.0の利用を決定しているという。
川添氏はAPN IOWN1.0について、「ロボットや自動車の遠隔制御、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、遠隔医療など、さまざまな場面の活用が想定されている」とした上で、いくつかの実証例を紹介した。
遠隔医療では、国産の手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」を提供するメディカロイドとの共同実証を行っていて、医師からは、「ほとんど遅延を感じず、問題なく手術が可能だ」と前向きな反応があるという。実証環境は、NTT武蔵野研究開発センターで行われた記者向け説明会でも展示していて、筆者も体験している。
また、NTTが2023年2月10日に行ったイベント「未来の音楽会II」では、東京、大阪、神奈川、千葉の4拠点、約400kmをAPN関連技術でつないで同時に演奏を行った。結果、接続遅延は8ミリ秒で、これはコンサートホールで演奏者が3m離れて演奏した場合と同じ水準だという。
今後は、2023年3月19日に東京都渋谷区で開催予定のイベント「Open New Gate for esports 2023」で、e-スポーツのプロ選手によるエキシビションマッチを、2023年3月20日には「未来のお笑イブ!!」と称して、大阪の3カ所をつないだ吉本興業のお笑いライブを開催するなど、APN IOWN1.0を活用した一般向けのイベントも計画している。
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