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onsemi、GFの300mm工場買収完了で成長を加速最先端のCMOS生産能力を獲得(2/2 ページ)

» 2023年03月08日 13時00分 公開
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EFK工場の課題

 El-Khoury氏によると、課題の一つになっているのが、さまざまな要件や仕様に応じた共有ツールを使用して、これらの多彩な技術ポートフォリオを実行する能力だという。ディスクリート生産プロセス/ツール向けの仕様や要件は、イメージセンサー製品向けのものとは異なるため、注意深く管理しなければならない。

onsemiのCEO、Hassane El-Khoury氏 出所:onsemi onsemiのCEO、Hassane El-Khoury氏 出所:onsemi

 同氏は、「もう一つの課題としては、このEFK工場が唯一の300mm工場であるため、新しい技術を導入するための完璧なコピーが存在しないという点がある。その代わりに、より小さなウエハーの工場からプロセスを開発し300mmに拡大する必要がある」と付け加えた。

 「また、技術者やエンジニアの堅牢なエコシステムが既に存在している他の地域と比べると、地理的に高度な技能を持つ人材を採用することは難しい。これが、onsemiが高校やコミュニティーカレッジなどの現地の教育施設を支援している理由の1つだ」(El-Khoury氏)

 El-Khoury氏は、「今後のコミュニティープログラムでは、教育エコシステムを構築する他、高校から博士課程まで未来のイノベーターたちをサポートし、コミュニティーカレッジとの提携によって現地の技能労働者を育成する取り組みなどを予定している」と説明した。

 「onsemiは、十分なサービスを受けていないコミュニティーや高校とも連携し、STEM(科学・技術・工学・数学)に焦点を当てた教育を支援していく。最近では、強力な人材育成の一環として、ロチェスター工科大学に今後10年間で50万米ドルを寄付し、半導体業界のエンジニアを対象としたプロジェクトや教育をサポートしていくことを約束した。また教育施設以外でも、共同体意識を高めることに注力し、自分たちが働いて暮らしていく地域コミュニティーに還元してきたという深い歴史を持っている」(El-Khoury氏)

サステナビリティに注力

 エネルギー価格の変動や、環境影響に対する認識の高まりを受け、環境に優しいエレクトロニクス製造の新時代が到来している。エレクトロニクス業界は、世界の温室効果ガス排出量全体の4%を占めていることから、こうした問題に対応するための革新的な研究開発の必要性に迫られている。最近では、有望な新技術が続々と登場するなど、業界の長期的な展望としては良い前兆が見られる。

 El-Khoury氏によると、半導体製造は、リソース集約型および炭素排出集約型のプロセスだという。これは、ウエハーエッチングやチャンバー洗浄の際に使用される地球温暖化係数の高いプロセスガスによる直接排出(Scope1)と、購入電力や蒸気、装置の加熱・冷却に伴う間接排出(Scope2)に起因する。

 電子デバイス/半導体メーカーを中心とした企業は、深刻な気候変動に対応するため、環境/社会/ガバナンスへの取り組みを進めている。世界中で無秩序に化石燃料を燃やした結果、地表の温度が上昇し、生態系全体が乱れている。自然界の動植物への被害や、氷冠の溶解、異常気象や気温の上昇などは、その影響の一例だ。半導体/エレクトロニクス産業の持続可能性は、政府の規制とグリーン投資イニシアチブの両方によって強化されている。

 El-Khoury氏は、「業界として、やるべきことがあることは分かっている。継続的な協力と革新によって、業界全体で有意義な温室効果ガス/資源の削減を推進できると信じている。2022年11月、onsemiは60以上の創設メンバーとともに、「半導体気候関連コンソーシアム(SCC)」を設立した。われわれは、バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に焦点を当てた半導体エコシステム企業の、最初のグローバルコラボレーションとしてのコミットメントを示した」と語った。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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