2026年1月1日付でアナログ・デバイセズの代表取締役に就任した齊藤秀明氏。AIが半導体市場をけん引する中、アナログ半導体を手掛けるメーカーとして、どう勝負していくのか。同氏に日本の事業戦略を聞いた。
Analog Devices日本法人であるアナログ・デバイセズの代表取締役に、2026年1月1日付で齊藤秀明氏が就任した。同氏は約25年にわたり、さまざまな分野で営業統括や事業開発を歴任してきた。AIや自動運転の開発が加速し、エッジAI/フィジカルAIなどの新しいトレンドが出てくる中、アナログ半導体の重要性が増すと同氏は述べる。齊藤氏に、アナログ・デバイセズの事業戦略や強み、日本での役割を聞いた。
――ロジック/メモリが絶好調の半導体市場ですが、アナログ/パワー分野の市況をどう見ていますか。
齊藤秀明氏 アナログ/パワー分野も、AI需要にけん引されて成長している。統計の数字だけで見ると、確かにGPUやメモリの成長が目立つが、それらを作る半導体製造装置やテスト装置にはアナログ半導体が数多く使われている。2025会計年度(2025年11月1日を末日とする)の売上高は110億2000万米ドルで、そのうちAI関連の売上高は約20%を占めている。テスター向けビジネスも2024年度比で40%成長した。
データセンター向けでも、パワー関連が2024年度比で約50%伸びている。データセンターの電力供給における要求は非常にシビアで、そこはむしろわれわれが強い領域だ。さらに現在、低消費電力化のために光信号へと移行し始めていて、光トランシーバーを手掛けるわれわれにとって、追い風になっている。
AIが進化すると、必然的にアナログ半導体の需要も増えるということだ。AI=デジタルとは限らず、アナログ技術が裏で支えている。
――産業機器や自動車など、AI以外の分野についてはいかがでしょうか。在庫調整が長引いていた市場です。
齊藤氏 2025年度の業績で見ると、車載、インダストリー、通信、コンシューマーの全セグメントで売上高が伸びた。
特に自動車では、車載イーサネット関連や、車載オーディオバス「A2B」対応の製品の勢いがよい。車載用SerDesの「GMSL(Gigabit Multimedia Serial Link)」も非常に引き合いが強い。GMSLはADI独自の技術だが、引き合いが強いのでオープンソース化すべく、標準化団体「OpenGMSL Association」も立ち上げた。さらなる普及に向けて取り組んでいる。
――日本での事業についてお聞かせください。
齊藤氏 他の地域と同じセグメントが成長している。ハイパースケーラーの存在という点では米国や中国に強みがあるが、電源供給システムや安定化電源、冷却システムなど、データセンター関連設備を手掛ける日本メーカーは多い。そうしたメーカーからの需要が伸びている。半導体製造装置分野での需要も多い。
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