図3は、PS VR2の本体を分解した様子である。ゴーグル部は前面がプロセッサ、背面がディスプレイとなっている。
前面のカバーを取り外すと、図3左下のようなプロセッサ基板や外部映像を取り込むためのカメラが現れる。カメラは左右上下を映し出すように4基搭載されている。カメラの付け根の部分にはモーションセンサーが埋め込まれている。プロセッサには放熱対策が万全に施されている。空冷ファンがプロセッサ部全体を覆い、空冷ファンの下には大きめのヒートシンクが設置されている。ヒートシンクの直下がプロセッサだ。
図3右下は、プロセッサとは反対のディスプレイ側の様子である。大きめの左右レンズがあり、レンズの奥に有機ELディスプレイが2枚備わっている。PlayStation 4向けのPS VRでは1枚のディスプレイだったので、PS VR2での最大の変更箇所になっている。VRは頭部に装着して使用するので重さを抑えるため、ほとんどはプラスチック製で、ネジも他の製品に比べて少ない。ツメを外すだけの場所も多い。
図4は、PS VR2のプロセッサ基板の様子である。基板上には通信チップやセンサーチップ、メモリチップなどが搭載されている。PlayStation 5から送られたデータをVR2のディスプレイに描画するためのメインプロセッサ、プロセッサの電源を最適化するための電源ICがセット化されて、搭載されている。
プロセッサはソニーの「CXD90067GG」、電源ICは「CXD90068GF」である。テカナリエは、両チップともに開封、解析済みである。PS VR2のワイヤレスコントローラーの通信コントローラー、VR2本体のプロセッサチップセットは、ともにソニーのチップで構成されている。パッケージを開封した中身のシリコンの情報は前述のようにテカナリエレポートで報告している(中身はソニー製というわけではない)
図5は、PS VR2の本体内部の接続関係である。メイン基板を取り囲むようにカメラ、ディスプレイ、LED、モーションセンサー、空冷ファン、オーディオジャック、コンデンサーマイクロフォンが接続されている。接続関係が分かるように着色してあるがカメラ以外は実際には基板にダイレクトに接続される形になっている。ゴーグルという限られた大きさの中にこれらを全て入れ込むためにおのおのの配線が最適化された経路になっている。
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