ノベルクリスタルテクノロジーは、酸化ガリウムショットキーバリアダイオード(β-Ga2O3 SBD)を電流連続型PFC(力率改善)回路に搭載し、出力電圧390V、出力電力350Wで正常に動作することを確認した。
ノベルクリスタルテクノロジーは2023年4月、酸化ガリウムショットキーバリアダイオード(β-Ga2O3 SBD)を電流連続型PFC(力率改善)回路に搭載し、出力電圧390V、出力電力350Wで正常に動作することを確認したと発表した。しかも、シリコン製ファストリカバリーダイオード(Si FRD)と比べ、電力変換効率を1ポイント改善できたという。
ノベルクリスタルテクノロジーは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/β-Ga2O3ショットキーバリアダイオードの製品化開発」プロジェクト(2020〜2022年)に参画。これまでアンペア級/1200V耐圧のβ-Ga2O3SBDを開発するなど成果を上げてきた。
今回は、電流連続型PFC回路に、開発中のβ-Ga2O3 SBDを搭載し、電流連続動作の実証試験を行った。実験結果から、逆方向には390Vの電圧が印加されていることを確認した。逆方向から順方向に電圧が切り替わると、ダイオードの順方向に電流が流れる際の電流波形は最大8Aの台形波となっており、電流連続動作していることを確認できたという。
また、β-Ga2O3 SBDとSi FRDの逆回復リカバリー特性から、β-Ga2O3SBDの逆回復リカバリー電流が、Si FRDに比べて大幅に抑制されていることが分かった。さらに、電力変換効率を比較したところ、β-Ga2O3SBDは93.0%となり、Si FRDの92.0%に比べ1ポイント改善されたという。
ノベルクリスタルテクノロジーは今後、開発したβ-Ga2O3 SBDについて、4インチウエハーを用いたファウンドリーラインにおける製造プロセスを確立していく。また、トレンチ構造の次世代β-Ga2O3 SBDや、反転型MOSトランジスタについても研究開発を進めていく予定である。
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