本格再開したembedded worldで見た、組み込み技術の最新トレンド：電子機器設計／組み込み開発メルマガ 編集後記

2023年3月14〜16日、ドイツ・ニュルンベルクで開催された世界的な組み込み技術の展示会「embedded world 2023」に行ってきました。

[永山準，EE Times Japan]

　この記事は、2023年4月10日発行の「電子機器設計／組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan／EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。

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本格再開したembedded worldで見た、組み込み技術の最新トレンド

　2023年3月14〜16日、ドイツ・ニュルンベルクにおいて組み込み技術の展示会「embedded world 2023」が開催されました。筆者は今回、コロナ禍による影響なども無くなり本格的な再開となった本展示会で現地取材を行い、組み込み技術の最新トレンドを目にしてきました。

　embedded worldはドイツ・ニュルンベルクで例年2〜3月に開催される世界的な組み込み技術の世界的な展示会です。2020年2月には、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染拡大の本格化から出展企業のキャンセルが相次ぎ、出展者数は当初発表していた1150以上から約900企業／団体にまで減少。例年大規模な展示エリアを構える大手半導体メーカーも軒並み出展を中止したため、空きスペースや急きょ設置されたであろう休憩スペースが目立つ事態となり、来場者数も1万3800人と、当初予想（約3万人）の半分にも満たない結果となりました。

　その後、2021年には現地開催が中止となり、昨年2022年にはコロナ禍の影響を考慮し6月へ延期されつつ2年ぶりに現地で開催。出展者数は39カ国から724企業／団体、来場者数は1万8000人と、コロナ前の記録である2019年の出展者数1117企業／団体、来場者数3万1000人と比べると、まだまだ“本調子”には戻っていませんでした。

　今回のembedded worldは、コロナ禍による懸念や規制なども無くなり、完全に“コロナ前”と同様の状態で開催。その結果、出展者数は950以上、来場者数は約2万7000人と全盛期の数字に近づき、『本格再開』と言ってよい規模となりました。また、全体の40％以上がドイツ国外からの来場ということで、海外渡航のハードルもかなり下がった様子。実際、会場でうろうろしていると、日本語を含むさまざまな言語の会話を耳にしました。

　さて、今回のembedded worldにおいてはIoT（モノのインターネット）、ワイヤレス、エッジAI（人工知能）、安全性とセキュリティ、SoC（System on Chip）設計などをテーマにさまざまな新技術が紹介されていました。