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» 2023年04月28日 11時30分 公開

HDD大手Seagateの四半期業績、2期連続で営業赤字を計上福田昭のストレージ通信(249)(1/2 ページ)

Seagate Technologyの2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)の業績概要を紹介する。

[福田昭EE Times Japan]

前四半期と比べて営業損失が2倍近くに増加

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表する。発表日(現地時間、予定を含む)はSeagateが2023年4月20日、WDが同年5月8日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。

 Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。4月20日に同社が発表したのは2023年1月〜3月の四半期業績で、会計年度では「2023会計年度第3四半期(Q3FY23)」となる。

 2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)の売上高は前四半期(前期)比1.4%減、前年同期比33.6%減の18億6000万米ドルである。前期比は5四半期連続の減少、前年同期比は4四半期連続の減少となった。

 概況としては、大容量ストレージ製品(マスキャパシティ製品)市場でニアラインHDDの在庫処理があまり進まず、大手顧客による需要が当初の想定よりも弱い水準にある。2023年(暦年)の年末に向けて需要の回復を期待する。

 2022年10月に始めたコスト削減計画が進んでおり、2023会計年度第4四半期(2023年6月期)には年間で1億5000万米ドルのコスト削減を達成する見込み。また、さらなるコスト削減策を4月20日に発表した。2024会計年度第1四半期(2023年7月〜9月期)に始まるこのコスト削減策では、年間で2億米ドルのコスト低減を計画する。

 製品開発では、熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat-Assisted Magnetic Recording)方式の大容量HDDで品質確認用サンプルの出荷を2022年4月に特定顧客向けに開始した。記憶容量は30TB(テラバイト)を超える。既存製品では20TBを超える大容量HDDが主流となっており、2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)はニアライン向けで総出荷記憶容量の3分の2を占めた。

2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)の業績概要 2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)の業績概要[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

 営業損益にはNon-GAAPベースとGAAPベースがある。Non-GAAPベースの営業損益はわずかながら黒字で、6500万米ドルとなった。前四半期(前期)比40.4%減、前年同期比86.2%減である。粗利益率は18.7%で、前期(前四半期)から2.7ポイント低下した。売上高営業利益率は3.5%で、前期に比べて2.3ポイント減少した。

 GAAPベースの営業損益は2期連続の赤字となった。営業損失は3億1500万米ドルで、前期(前四半期)の1億6000万米ドルから2倍近くに増加した。粗利益率は17.2%で前期の13.0%から4.2ポイント増えたものの、事業再構築費用3億米ドルを計上したことなどが響いて営業損益は赤字となった。売上高営業利益率はマイナス16.9%である。前期はマイナス8.5%だった。

Seagate Technologyの四半期業績の推移(売上高と営業利益(GAAPベース)) Seagate Technologyの四半期業績の推移(売上高と営業利益(GAAPベース))。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお、営業利益はGAAPベースなので本文の数値(Non-GAAPベース)とは一部が異なる[クリックで拡大]
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