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ADI、6.3億ユーロで欧州に新研究開発/製造施設を建設へ欧州のウエハー生産能力3倍に

Analog Devicesは2023年5月、アイルランドの拠点に6億3000万ユーロを投じ、新研究開発/製造施設を建設すると発表した。次世代信号処理技術開発を加速する他、欧州でのウエハー生産能力が3倍となる見込みだという。

» 2023年05月16日 14時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 Analog Devices(以下、ADI)は2023年5月15日(米国時間)、アイルランド・リムリックの拠点に6億3000万ユーロを投じ、新研究開発/製造施設を建設すると発表した。

次世代信号処理の技術開発を強化

 新施設はアイルランド・リムリックのラヒーンビジネスパークにある同社の欧州本部に建設予定で、4万5000平方フィート(約1万3700m2)規模の最新の研究開発/製造施設となる。今回の投資によって、同拠点におけるADIの雇用は600人増加する見込みだという。

 ADIは同施設について、「産業、自動車、ヘルスケア、その他の分野のデジタル変革を加速するために設計された、ADIの次世代信号処理技術開発を支援するものだ」と説明。また、製造能力に関しては、欧州でのウエハー生産能力が3倍に増強される見込みで、「グローバルサプライチェーンの弾力性を高め、顧客ニーズへの対応を強化するために、社内生産能力を倍増するという当社の目標に沿ったものだ」としている。

 ADIは2022年3月にも同拠点にある協業型研究開発施設「ADI Catalyst」に3年間で1億ユーロを投資するとも発表していて、研究開発を加速している。なお、ADIはアイルランドにメインの欧州研究開発センターを有し、設立以来1000件以上の特許を取得。スペイン、イタリア、英国、ルーマニア、ドイツなど欧州全域に研究開発拠点を展開している。

 ADIのCEO(最高経営責任者)兼会長のVincent Roche氏は、「1976年以来、アイルランドはADIにとって重要なイノベーションセンターだ。今回の次世代半導体製造施設と研究開発チームの拡大は、ADIリムリックの世界的影響力をさらに拡大することになる」と述べている。

 なお、今回の投資計画は、EUの「マイクロエレクトロニクスと通信技術に関する欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の一環として計画されていて、欧州委員会の最終承認が必要となる。

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